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ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」33

 そんな状況の中、ある日、剛はさらに近づくために彼女を自分の家へ誘う。最初、彼女は躊躇していた。それは彼の周囲に漂う、秘密めいた、ある種ミステリアスな雰囲気のせいだった。パッと見のアメリカ人らしい陽気さとはどこかかけ離れていた。店で外国客を見慣れていた理沙にとって、それは少し奇妙なことでもあった。剛はオープンであり、秘密主義だった。そして、何かが彼女に軽い恐怖を感じさせていた。説明できない恐怖であり、男の、まるで何も恐れてはいないという態度によって引き起こされていた。そのため、彼女は、最初、おまけに相手が店の重要な顧客であることも手伝って、距離を取ろうとしていた。それを彼は、巧妙な、少し少年を思わせる手立てで、しかし強引に彼女を自分の思惑に巻き込んでいった。 そして彼女はその週末の翌朝、自身の家へ戻った。事は計画通りに運んだ。 アパートに戻ったその日の昼、理沙は剛の生活の状況が彼女に与えた奇妙な印象を思い返す。自身の、狭くてごちゃごちゃしているアパートの部屋と比べると、それはさらに際立って感じられた。日本に戻ってから、ある種の警戒心から観察ばかりしていたせいだろうか、彼女は様々な状況に敏感になっていた。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」32

 経営者が自ら気づく時には、それは心臓にまで達している。あるいは脳髄か。 ふと、こんな場所に理沙は不似合いだと余計なことを考える。彼女はこの会社のトーンとは異質で、悪く言えば浮いている。 そのうちに怒鳴るのも飽きたのか、夫人は秘書をせっついてジムの予約を確認する。 「はい、十一時です」 「じゃ、行ってくるわ。ついでに買い物して、食事してくるから、戻るのは四時位ね」 「かしこまりました。お車どういたしましょうか。あの」 「夜のこと?」 「はい」 「正面に、そうね、六時に」 「かしこまりました」 秘書はまるで米つきバッタのように一定の間隔で返事をする。その裏で経営者達がいなくなると手のひらを返したように、悪口三昧を他の社員と始める。 「っとに、自分達で何も出来ないんだから、うざったい」 「まあまあ、出て行ってくれてホッとしてるよ」 「ほーんと、よかった、あの程度で済んで」 先ほど怒鳴られていた女子社員がため息を吐く。 「ほんとにさー」 秘書がそれに同調する。 「お嬢さんだろ?」 「そ。昨日もさー、爪が割れちゃうだのなんだのって大騒ぎして、ばっかみたーい」 秘書はさも忌々しそうに息を吐く。 「あんたもさ、どうなってんだ?やつと」 「えー?なんのこと?」 彼女はしらばっくれる。 「この間もやつとずっと外出していたじゃないか」 「そうだっけかなあ」 「どこ行ってたんだ?」 「うるさいなあ。そんなことを口に出すと、いい?わかってると思うけど、私は社長のお気に入りだから、どうなるか」 「わるいわるい、ついね」 「言っとくけど、私は恐いんだからね」 「わかった、わかったよ」 よくある現代版お局様と言ったところかと、剛は苦笑いする。それにしても理沙の声はいつも殆ど聞こえない。彼女のいる方向からはパソコンのキーボードの音が微かに響いてくるだけだった。どうやら彼女はおしゃべりしている暇はないらしい。 その女性、理沙と剛は少しずつ親しくなっていく。食事の回数を重ね、彼女がフリーであることから次の段階に進みやすかった。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」31

その声は二つ。周防社長とその娘、、。剛はあの上品な仮面の裏に隠された狂気と残忍さの片鱗に触れる。彼らはなんら容赦すべき相手でもないのだ。この時、剛はそう感じた。そして、その怒鳴り声の合間に、明らかに怯えて縮み上がる社員達のひたすら謝っている掠れ声が混じっている。 「すみません、すみません。それはその、私の考えではないので。それはその、彼女の考えで」 どうやらその社員は自分のミスを他の人間になすりつけようとしている。そうされた他の社員は必死に抵抗している。 「いえ、私は関係ないです。そんなことは知りません、それは」 彼女も又スケープゴートを探しているようだ。それもそこに居ない人間にミスを転嫁しようとしている。 「用事で外出していますが、それは」 説明を聞くか聞かないかのうちに周防夫人の金切り声が響く。 「なんだっていいのよ!そんなことは!何回言ったらわかんのよ、あんた達は!余計なことはしなくていいって言ったはずよ!聞いてなかったの!?私に相談せずにふざけんじゃないわよ!勝手な考えで判断しないでちょうだい!わかってんの!?」 「は、はい!!」 「っとに」 どうやら周防夫人はストレスでも溜まっているのか、些細なミスを口実に怒鳴り続けている。まだ、奥底の怒りを吐き出し切ってはいないらしく、憤懣やるかたないといった調子で社員の謝罪を聞き入れる様子もない。状況を小耳にはさんだ剛は、これが噂に高い「日本式」の従業員操縦法かと皮肉まじりに鼻を鳴らす。こんなやり方では社員の能力を伸ばすどころではないだろう。逆に萎縮して本当のことなど口には出せまい。まるで口だけ「思ったことは何でも言っていいのだ」という革新派の仮面を被った田舎者の経営者のようだ。インターナショナルは粉飾だったのか。 こうやって仕事を続けている間に癌は確実に進行するのだ。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」30

 そうかと言えば、顧客と営業マンの投げやりな調子の会話が聞こえてくる。 「土地だって、株だって下がってんだからさ」 「まあ、ええ」 「だからどうにもなんないんですよ」 従業員の中には、どうやら美術品の作品を補修するための薬品を吸引しているらしい人物もいる。その人物がぶつぶつと独り言を言いながらフロアを行ったり来たりしている音が耳に入る。 「ったく、、、どうすればいいってんだよ、、、真面目に」 すれ違う他の社員がそれを耳にする。 「あの、何か言いました?」 「あ、いや、独り言独り言、気にしないでよ」 「はあ、まあ」 それらを象徴するように、空気が澱んでいるのか、時々、理沙の咳き込む音が聞こえてくる。どうやら、彼女は、タバコや薬品の匂いに対するアレルギーでもあるらしい。 そんな空気の濁った社内の雰囲気を引っ掻き回すような怒鳴り声が、時折響いてくる。 「おらー!何やってんだよう、さっさとしろよ!うすのろ!」 どうやら年配の社員が若い者をどやしつけているらしかった。 「こうすんだよ!この野郎!くそったれ!」 さしずめ英語で言えば、blockhead、ass、shit、fuck、、、フランス語だとmerde、cochon、con、、、いずれ劣らず下品な言葉使いをしている。日本の老舗ではこういう教育をするという見本の様なものだ。それらの言葉を抵抗無く受容すれば、やがて彼等もそれを自然だと思い、いずれ新たな社員にそれを適用するのだろう。伝統はこうして受け継がれるのだ。 それらの罵声に混じって、社長室からも時々耳をつんざく様ながなり声が聞こえてくる。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」29

それもオーナーが不在の時に漏らす不満から想像するに、かなり安い賃金で働いているらしかった。彼等の様子を観察していると残業代も出ないと愚痴をこぼしている。 営業マンと言えば、かなりの数がいる割には、どうも碌に仕事をしていないらしかった。同じ人物が昼を除いていつも同じ場所にいる。要するに両手を前で組み、売り子さんよろしく作品の見張り番をしているだけで、全く何もしていない。これでは売上が落ちるはずだと、剛は苦笑いした。周防家の書斎から頻繁に聞こえる売上下降の不満の声は、こういうことがどうやら原因らしかった。要するにバブルがはじけた日本で、さらにアメリカでも、働かないで遊んでいれば当然のごとくに、何も売れはしないだろう。そんなことさえ、結局は保護されている特権階級の連中には理解できないことなのだろう。さらに深刻なのは、時々営業マンの口から漏れる、 「どうせ働いたっていつ首になるかわかんないからなあ」 という、本気とも冗談ともとれる愚痴だった。どうやら会社の状況は斜陽なようだった。「斜陽」、そうこの華やかな崩れた一族には、この言葉が一番似つかわしい。陽が翳るように、輝きが消え去り、汚点を見たくないのか、毎日毎晩のように酒に溺れているらしい。 逃げるように、、。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」28

そんな様子が相手に伝わったのか、あるいは何かに勘づいたのか、彼女はお茶を飲みながら剛をじっと見つめている。何か気付かれたのではないかと彼は多少ひやひやする。 「変わった人」 「変かな」 「そう、なんとなく不思議な感じがする」 「そうかな。こういうことはしないのかな」 「日本では殆どないかも」 「そうなんだ」 「海外では普通なのかも知れないけど、いつもこんな感じ?」 「まあね」 彼はお茶を濁す。彼女の強い視線に動揺しながらも、言われた内容にほっとする。 真っ直ぐな理沙に後ろめたさを感じながらも、目的は達成することができたので彼女のアパートを出る。 彼はこれから始まる調査が確実に相手を巻き込むであろうことを思うとどこかで後悔し始めていた。同時に、いつもは冷静な自分が、こんな些細なことで、早くも私情を挟み始めたことに戸惑っていた。彼女の中にある何かが彼を動揺させていた。 そうして始まった店への出入りと理沙への接触からは、最初はたいした情報を得ることはできなかった。特に、彼女には、ごく普通のオーエルの生活パターン以外、何も見つけることができなかった。一週間くらい調べたところでは、彼女は大体夜の七時三十分から八時くらいに帰宅して、その後は、入浴したり食事をしたり、テレビを見たりしていた。おおむね静かに過ごしているようで、出かけることも滅多になかった。 店での情報収集は特に宝石の所在が何処か、それだけに焦点が絞られて始められた。およそ二月、作品を見るふりをしながら、剛は足繁く店に通った。その間に、仕事の流れが見えてくる。 周防家は運転手付きの車で来て、朝十時のミーティングを済ませ、簡単な打ち合わせをすると、大概何処かへ消えてしまう。そうなると捕まえるのが難しくなってくる。ひどい時には出社せず、美容院だとか買い物に時間を割いているようだった。どうも仕事をする意志がなさそうだった。そういう様子がわかるにつけ、剛は苦笑する。秘書の仕事の五割が結局オーナー一族の旅行の手配で埋まっていて、ホテルの予約、飛行機の予約、列車の予約にゴルフの時間調整、それにレストランのメニューの選定に車の手配、、。スキーの道具の手配にスキーコーチの予約、、。旅行先はアメリカ、アジア、ヨーロッパ、バハマ、、。ディズニーランドのチケットの手配があった時には、さすがの剛も驚いた。年配の秘書が、たかが小中学生のお守り...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」27

 理沙が荷物を下ろそうとしたところで、玄関のベルが鋭く鳴り、思わず鞄を乱暴に床に置く。こんな時間に来るのはセールスか何かの勧誘だろうか。 恐る恐るドアに近づき、小さい穴から外を覗く。立っている相手の姿を確認すると急いで鍵を回し、ドアを開ける。 「どうして」 「プレゼント、かな」 「プレゼントって、えっと、なんで」 「薔薇とか好きかな」 「好きだけど、、」 目の前に赤い花束を出されて彼女はたじろぐと同時に注意が散漫になる。剛はその隙をつくと玄関先で靴を脱ぎ始める。ここは日本だから靴のまま上がれない。 「ちょっと、ごめん。化粧室借りていいかな。すぐに帰るから」 「いいけど、急に来ないでもらえると。びっくりするから」 「ごめん。すぐに帰る。化粧室、こっち?」 理沙は面食らっていたものの、多少の落ち着きは取り戻していた。相手が洗面所に入る前に声をかける。 「何か飲む?」 「いれてくれるの?」 「明日、仕事あるから、ちょっとなら」 「ありがとう」 彼女がお湯を沸かすためにやかんに水を入れている間に、洗面所から出た剛は、さっと住まいの間取りを把握する。古いアパートでこれといって珍しい間取りでもない。意外にも古美術に関連した書籍は見かけない。美術書がいくつかある程度だった。 「本がたくさんあるね」 「まあね」 台所の隣の部屋に何気なく入ると、そこには書類の入った書棚が天井まであった。女性の部屋というよりも、学生、あるいは研究者のそれだった。 「何がいい?紅茶、緑茶、コーヒー?」 「紅茶があれば」 言われて彼女がカップやポットを準備している間に、彼は居間にも美術作品らしきものが全くないのに気付く。彼女はその分野に関心がないのだろうか。 「そこで飲む?」 「そうだね」 彼女は部屋の床にある小さいテーブルの上にいれたての紅茶のポットをのせる。 「しばらく待ってね。こうすると良く出るから」 「ありがとう」 そういう彼女のどこか暖かい応対が、ふとあることを疑問に思わせた。 「君は、結婚しないの?」 「え?」 「いや、立ち入ったことを聞いたかな」 「結婚、、、わかんないな」 「悪かったかな」 「別に」 そう言いながら彼女は少しため息を吐く。三分くらいだろうか、二人とも何も言わずに黙ってソファに座っていた。 「あ、はいったみたい」 タイミングを計ってポットの紅茶をカップに注ぐと、透明な...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」26

「君は、ブランド物とかは興味ないのかな?」 「そういうわけでもないけど、でも」 そこで彼女は話を中断する。 「お金がないの?」と言いそうになって、剛は口を閉じる。それを、今こういう服装の自分が言えば、単なる嫌味にしか聞こえない。彼女は相手のそういう気持ちを察したのか、話を少しずらして続ける。 「嫌いなわけではないけど、例えばイタリアの服とか、着心地が良さそうだし、でも、その、着て行く場所があるわけでもないし」 「まあ、そうなるね」 「そう。服が歩いているみたいになっちゃうし、ガラじゃない」 「似合いそうだけどね」 「また、お世辞」 「お世辞ではないけどね」 食事も終わりに近づき、透明な琥珀がかったルビー色の美酒も残り少なくなった。理沙は、剛の、その酒量に驚いていた。珈琲と、それに添えられた小さな焼き菓子が出てくる頃には、少なくとも 二人はある程度の親近感をお互いに抱いていた。それを利用して、彼女の生活に入り込むためには、あとひと押しだった。 そしてその晩、剛が突然、理沙の家まで連絡もせずにやって来る。というか彼女が帰るのを、駅からのルートで彼女が必ず通るだろう場所で、トヨタを駐車させて待っていた。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」25

「俺はこちらで」 「この間いただいた名刺は?」 「あれは会社のものなので、事務所の。こちらはプライベート。今度遊びにでも来れば?」 しかし、住居は実際は事務所を兼ねていたもので、生活用品以外からっぽだった。会社は調査のためにこしらえたダミーで、万一にでも会社経営に疑いがかからないように、あるいは自宅が何らかの事情で使いにくくなった場合のための予備でもあった。 会社の電話番号にかかってきたものは転送される仕組みになっていて、名刺に刷り込んであるものは、自宅につながるようになっていた。自宅には、結果電話が数本引いてあり、全部逆探知できるように、さらに相手の声紋の分析ができるように、記録されるシステムだった。データは遅くとも翌日までに、全て分析していた。 「暇な時、いつでも電話してきていいよ」 「そんな、暇なんて」 「まあ、そう言わずに、ね」 「、、、でも」 「いつも何時頃、家に帰るのかな」 「まあ、8時位、かな。帰りに寄り道する元気もないし」 「そう」 「どうして」 「いや、いつ暇なのかな、と」 「だから暇なんて」 「会社そんなに景気がいいのかな」 「そうじゃなくて」 話そうとして、あまり細かいことを、まだよく知らない人間に告げるのは良くないことだと理沙は口を閉じる。 「まあ、色々あるんだろうけど」 「そう。色々あるから」 大方、リストラが進み、残りの社員の肩に、その分の仕事がかぶさってきているだけのことだろう。しかし賃金は前よりも安くなっていそうだっt。彼女の身につけている服装を見るにつけ、そう判断せざるを得ない。多分、街中で見かける若い女性達と違って、借金してまでブランドものを買おうという意思はないのだろう。日本では、ブランドに入れ込んで多重債務者になる女性も多いと、来日する前に聞いていた。理沙が着ている合成皮革のジャンパーは、恐らく毎日着ているのだろう、くたびれている。履いている黒いスラックスも洗濯で色が多少くすんできている。持っている鞄と言えば、多分スーパー等で売っている千円前後の化学繊維の物だろうことは容易に想像できた。靴も傷んでいて、脇が擦り切れている。翻訳で疲れているのだろうか、目の下にはクマができている。 「なんで、見てるの?そんな風に」 あまりにもジロジロと観察していたのだろう、剛の視線に彼女は不思議そうな顔をする。 「別に、何も。ただ目が綺麗だと」 ...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」24

 剛が選んだそのフランス料理店へ、昼間から行くのは多少抵抗があった。赤っぽいベルベットの内装で、ビジネスランチというよりは、何か密会でもしているようだった。その店の一番奥の、まるで、逃げるのを妨げるような席に案内される。おまけに彼女は壁側に座らされて、身動きが取れない。何か、そんなふうに有無を言わさずに追い詰めてくるこの男性に対し、理沙は少し恐怖を覚えた。剛はそれを素早く察知して、言葉で相手の緊張を緩和させようとする。 「怖がらなくていいよ、別に」 「あの、いえ、そのような」 「真面目な話があったので、わざわざこういう店に来たんだから」 「は、はあ」 その時、しっかりした動作のウェイターがテーブルに近づいてくる。 「ご注文はお決まりでしょうか」 「そうだね。この、鴨料理のAコースをふたつ。それと、そうだな、このワイン、シャンベルタンのこちらを」 理沙はワインの銘柄と年代を聞くと、少々気まずくなる。何でビジネスランチに、そんな高いものを頼むのか理解できない。相手は、そんな彼女の視線に気づく。 「どうした?」 「いえ、別に」 彼女は相手が店の重要な顧客で、ブレイク氏の知人だと思うと、下手なことは言えないと口を噤む。それがわかると剛は、割合、単刀直入に馴れ馴れしい口調で質問してくる。設定された立場を利用しない手はない。 「彼氏、いるの?」 「え?あの、いませんけど、今は」 「いないんなら俺と付き合わない?」 「あなたと?えっと何で?」 「何でも」 「釣り合わないです。どう見たって、富豪のご子息が、こんな貧乏くさい通訳と」 「まあ、ちょっと興味持ったから」 「興味ったって、、、私は、その、あなたにそういう関心はないですし」 そう言ってしまって、彼女はしまったと口を閉じる。自分に割と自信のあった剛は、そう言われると逆にひっかかった。 「付き合ってみればいいんじゃない?」 「そんな、私、今はそんな暇ないです」 「ちょっとくらい、いいんじゃないのかな」 「だって、、、めんどくさい」 「めんどくさいって」 「すみません。その」 「どうして?」 「男性と付き合うと世話がやけるし、、、もう、いいかなって」 「何かあったわけ?過去に」 「あの、そんなこと、あなたに言いたくはないです、とにかく」 「わかったよ。じゃあ、たまに食事ってのはどうかな」 「その位なら、いいですけれど」 「...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」23

しかし、会社もリストラが進み、残った者も辞めさせられた人々の分のつけを払わなければならない。いくら早く仕上げても、どうせ賃金は平行線だと思うと、今ひとつ理沙のやる気も失せる。所詮身内優先の会社で、全くの外部の人間にはたいした支払いはないのだから。先日も、まるで仕事をしている様子もないアルバイトよりも賃金が安いことを知ったばかりだった。ただその人物は周防瑠璃の友人なのだった。  おまけに妙な客からのアプローチのことを考えると頭痛がしてくる。あんなイタリアのブランド物で全身を固めた感じの男性とは住む世界が違うと、彼女は最初から線を引いていた。トラブルはごめんだと、忙しすぎるせいか、気持ちのゆとりは全くといっていい程なくなっていた。反動で、昼休みになると、全身から力が抜けてしまうような虚脱感に襲われる。それにたとえいくら良さそうに思えたとしても、客は客だった。 時計を見るともう12時を回っている。あと30分で、どの位こなせるだろうか。そう計算しながら、彼女は必死にパソコンのキーを叩く。 サザンテラスビルの一階ロビーに着いた頃には、もう一時を十分も過ぎていた。慌ててそこへ駆けつけると、野上剛はすでにそこで待っていて、時計をしきりと気にしていた。その姿が目に飛び込んでくると、理沙は急いで、ドアを押す。 「申し訳ございません、お待たせしてしまって」 「いえいえ、こちらこそ、お呼びたてしてしまって」 意外にも待たされていた彼は、彼女が遅れたことを気にしながらも、怒っているという風でもなかった。それはでも、彼女には奇妙なことに思われた。普通、店のひょっとして将来のお得意様になるかもしれない、資産の有りそうなこういった人物は、待たされることが嫌いな場合が多かった。ましてや国際的な忙しいビジネスマンはなおさらそうだった。 彼女がすまなさそうな気持ちでいるのを見抜くと、剛はそこへつけ込むことにした。彼女の背中に半ば強引に手を回すと、さっさと自分の考えている店へ連れて行く。 「予約してあるから」 「え?あの」 「時間がないので」 「すみません」 彼が彼女を連れて行った店は、どこか薄暗かった。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」22

「はい、お電話かわりました。宇津木です。先日は、お越しいただきありがとうございます」 「いえいえ、それより、今日、ランチでもいかがでしょうか」 「今日ですか。あの、1時くらいでしたら」 「忙しいのかな」 馴れ馴れしい口調に理沙は面食らう。 「ええ、仕事が立て込んでいて」 「じゃあ、1時に。何処で待ち合わせしますか?」 「サザンテラスとかでしたら、レストランも色々ございますので」 「じゃあ、一階のロビーで」 「ええ」 「何か食べたいものはある?」 「ええと、その時に決めるのは駄目でしょうか。その」 急なことなのでという言葉を理沙は飲み込む。 「いいですよ、それでも」 「それでは、一階で」 「待ってるよ」 「はい、、、それでは」 電話を切りながら、理沙は結構大きなため息を吐く。横に座っている上司が何事かと不審な顔をする。 「さてっと、、、仕事仕事」 彼女はさらにため息を吐く。 「どうかしたんですか?」 「いえ、別に」 「ため息ばかりですね」 「まあ、その、今週疲れていまして、すみません」 「気をつけないといけないですね」 「はい」 まさか、上司に、店の大切な顧客から食事に誘われたなどと、ペラペラ喋るわけにもいかない。上層部の耳にでも入ったら、ただ睨まれるだけだからだ。このクラスの客に、まだ入ったばかりの従業員が近づくのを、周防家の人々は好まない。 目の前に山積みになっている書類を見ると、なるべく早く処理しなくてはとパソコンのキーを叩く指を理沙は忙しなく動かす。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」21

 人いきれから抜け出し、裏の玄関口の側でスマホを取り出すと、先ほどの従業員が近づいてくる。 「おかえりですか?」 「ええ、やはり時差のせいでしょうか。少々疲れました」 「夫人に挨拶なさいますか?」 「いえ、まだブレイク氏がおりますし、他のお客様の相手でお忙しいでしょうから、今日はこれで」 「お車ですか?」 「ええ、運転手を呼びますので」 そう言うと、剛はすぐに来てくれるよう連絡する。 「今晩は少し冷えるようですね」 「そうですね」 「お迎えがすぐ来るとよろしいのですが」 そう、言い終わらない内に、会社の裏口に黒いベンツが横付けされ、運転席のウィンドウが下がった。中では眼鏡をかけ、白い手袋をした年輩の男性がハンドルを握っている。 「お待ちになりましたか?」 「いや、早かったね」 「今晩はお戻りになられますか?」 「そうしてくれ」 「かしこまりました」 後部座席のドアが開くと剛は乗り込む。店の従業員ひとりと軽く挨拶を交わす。ウィンドウが音も無く閉じると、黒光りのする重い車体はゆっくりと滑り出す。 車を見送りに出てきていた従業員は、剛が相当な地位の人間であると、身なりや、運転手の様子から判断する。それに、アメリカの匂いのする外見や身のこなしとはどこか違う、ある種の重厚な、底知れない雰囲気が周囲を威圧していた。どこか売買の世界からかけ離れたものだった。 その夜から二週間経っても、理沙から電話がかかってくることはなかった。彼女はどうやら剛に全く興味が無いようだった。女性に対してそれなりに自信があったため、そのことがなんとなく気に入らなかったものの、調査上そんなことを考える暇は剛にはなかった。彼女にはどうにか接近する必要があった。いずれ周防家に近づくにしても、外国語関係の情報を全て読み取っていく必要性があった。 それに、まさかとは思うものの、彼女が今回の作品の消失に関係がないかと言うと、断定はできなかった。何らかのことを知っている可能性も否定できなかった。 それを知るためには、彼女のプライベートに入り込む必要があったため、とにかく剛は自分から美術商に電話をかける。相手を警戒させないために、なるべく何気なさを装い、とにかく昼食に誘い出すことをまず考えた。 「はい、周防美術でございます。はい、宇津木ですね。少々お待ち下さい」 机の上の内線が鳴ると、ちょうど、理沙は次の書類の...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」20

「何かお取りしましょうか」 「赤ワインを」 「少々お待ちください」 レストランのケータリングのテーブルに、グラスを取りに行く彼女の後ろ姿を見ながら、自分に一体何が起こったのかと、冷静になろうと剛は努めていた。 「どうぞ」 「ありがとう」 「先ほどは失礼いたしました」 「いえ、こちらこそ」 「ブレイク氏のお知り合いですか」 「ええ」 「お名刺だとアメリカの会社では重要なポストについておられて、経営に携わっているとか」 「まあ、そうです。でも」 「でも?」 言いながら、その女性は剛の方に真っ直ぐ大きな目を向ける。外国にいたのだろうか、そんな視線の持っていき方は確かに日本人らしくはない。先ほど、他の従業員が変わった女性だと言っていたが、この国の基準から見ればそうだろう。 「外国にいらっしゃったのですか?」 「ええ」 「どちらに」 「フランスです。パリに」 「どうりで」 「どうりで?」 「いえ、外国人と一緒にいても平気そうだと」 「彼等も同じ人間ですよ」 「まあ、そうですね」 「あなたは、アメリカからいらしたのですか?」 「そうです。今週の始めに。着いたばかりで」 「アメリカは、私、よくわからないけれど」 「行けばわかりますよ。それより、あなた、いえ、宇津木さんはこの店には長いのですか?」 「え?どうしてですか?」 「見ていると随分、上役の事を気にしているみたいでしたから」 「それは、その、私、ここには長くいる訳ではないですし、それに、変わってるって、会社では思われているみたいだし」 「でも外国語担当だから、重要なお仕事ですよね」 「まあ、そうですけれどね」 この時、剛は会社を探るのに、この女性が内部の人間として適当だと判断した。少なくとも、捜査に何らかの情報をもたらしてくれそうだと思った。おまけに近づきやすく、かつ業務が会社の中心に近く、かといって中心ではない。さらに海外との通信が担当らしいので、それもかつて欧米で失われた作品を探すという目的には好都合だった。 「理沙さんって呼んでいいですか?」 「え?あ、それは構いませんけれど」 「剛、でいいですよ」 「は?」 「いや、アメリカ人だから、私は。堅苦しいのは面倒なので」 「でも、お客様ですから」 「いや、滞在中に、たまにデートでもと思って」 「え?」 「いや、時々、お付き合い願えれば」 「はあ、、」 「作品を買う時は、周防...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」19

 それから剛はその場を離れ、招待客をさらに観察することにした。状況から見れば、まず作家、そしてもちろん批評家、愛好家達、政治家、財界人、ビジネスマン、などありとあらゆる層から特別に選ばれた人々が招待されているらしい。あとは接客している従業員と、常に直立している補佐的な従業員たち。彼等は常に腕を前方で組んでいた。 そのため、従業員の顔と表情を区別し、理解し、記憶するのは容易いことだった。パーティーの2時間の間、誰がなんという人物なのか、名前と顔を一致させることに努めた。さらに各々の従業員の役割と関係に注意する必要があった。その中の誰が、あの35年前の事件に関わっているのか。 「35年?」 35歳の剛は、その時、この「35」が自分の年齢と同じであると、初めて何かの意味を持って認識した。 「35、ただの偶然だろうか、、?」 その35の年月が急に何か重要な意味を持って彼に重くのしかかってきた。長い間、特に考えたこともなかった。自分の年齢が何故、急激に自分の中で主張し始めたのか。それを意識した途端に、まるで時限爆弾が爆発した時のように、一瞬頭の中で強烈な光が走った。光の向こうに手を伸ばそうとすると、同時に恐怖が襲ってくる。恐怖は原始的で、理性など木っ端微塵になりそうだった。 「大丈夫ですか?何かお飲み物でも、、」 先程の通訳の女性、宇津木理沙が仕事を一通り終えたのか、いつの間にか側に立っていた。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」18

「あの女性はどういった社員なので」 通りがかった従業員に剛はそれとなく尋ねてみる。 「ああ、彼女は主に翻訳や海外との通信業務を行なっております」 先程のデスクを剛は思い浮かべる。 「通訳もおこなっているのでしょうか」 「そうですね。よろしければご紹介しましょうか?」 「いえ。本に、あれはサインをもらってるのでしょうか」 「ええ、今夜は海外の作家も来日しているので。彼女が通訳をしています」 「カタログですか、積んである書籍は」 「ええ。サインもご入用ですか。もらってきましょうか」  「いえ、並んでみますので、お構いなく」 外国とのやりとりに関係のある従業員だと分かった時から、彼女に近づく目的はただ一つだった。 その女性の前には、作家にサインを頼むために列が出来ていた。剛もその列になんでもないことの様に並んでいた。しばらくすると彼の番がやってくる。 「カタログを一部いただきたいのですが、私の名前、剛を書くようにお願いできますか?」 「苗字はいかがいたしましょうか」 「いえ、苗字は結構です」 「綴は、T,A,K...Oui, et date?」 「ええ。日付もお願いいたします」 剛は作家と目的の女性それぞれに名刺を渡す。 「私に?」 「ええ。彼の作品にちょっと興味があるものですから、後で、ご連絡を差し上げようと思っております。お値段とか知りたいので」 「伝言は周防夫人に伝えておきます。よろしいですか。彼女が海外作家の作品の販売を主に担当しているものですから。私は単なる通訳兼翻訳者なので」 「でもまだ買うとかそういう段階でもないので、少しあなたの話も聞きたいですし」 「そうおっしゃられても、周防夫人は私が販売に関与することを快く思わないので、夫人に紹介もかねて、、」 「夫人は私のことは知っていますから、紹介などは無用です。それと、あなたに頼みたいこともあるので」 「私にですか?」 「Quoi?」 突然、作家は大きな声を出す。 「Non, non, ce n'est rien, et..T, A, K...」 「もし、あなたに書類の翻訳を頼むのでしたらどうしたら」 「あの、すみません。無料で、ですか?その」 「お支払いはいたします」 「分かりました。でも、あまり多くのものは、、。いずれにしてもあなたは周防夫人のお客様なのですね?」 「ええ、それにブレイク氏の友人でもあ...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」17

 美術商の内部の様子を綿密に目で計測すると、ハリス夫人から入手した図面にあった二階へ行く階段に目を留める。 「二階建てか」 剛は何気なく、階段を上ろうとして従業員らしき人物に引き止められる。 「どちらへ?」 「いえ、上にも何か展示してあるのかと」 「作品に興味がおありですか?」 「ええ」 「今日は当店は初めてですか?お見かけしたことがないようなので」 「ええ、初めてです」 「失礼ですが、どなたかのご紹介ですか?」 「ええ、ブレイク氏が当社の会長と懇意にしてまして」 「それは大変失礼いたしました」 「いえいえ、それよりも上には何か特別な作品でも?」 「そんなに多くのものは、、、よろしかったらご案内しましょうか」 「適当に見てみますので」 「どうぞご自由になさって下さい」 「今井さん、ちょっと」 「すみません。私、呼ばれたもので」 「いえ、お気になさらずに、ひとりで見ていますので」 「何かあれば遠慮なくおっしゃって下さい」 「ええ」 階段を上って行くと、上にも小振りの展示場がある。ひとり、ふたり、手にワイングラスを持った古美術の好きな客が、並んでいる作品を熱心に見つめている。他に二階に部屋はなさそうだったので、剛は下へ降りる。一階はどうやら幾つかの部屋に分かれていて、彼はスーツ姿にかこつけて、従業員の様な動きをしながら、それぞれの部屋を何気なく見て回る。 一つ目の部屋にはコピー機があり、ちょうど誰もいなかったため、資料の背表紙を調べ始めたが、人の気配がして諦める。続き部屋は、どうやら事務室のようで、より多くの資料が並んでいる。先ほどの人気を背後に感じ、ここも今日はじっくり見るのを諦める。それよりも大きな部屋は、扉にプライベイトの金文字が貼り付けてあり、部外者立ち入り禁止と明示してあった。彼はそこへも何気なく入って行く。コソコソとせずに堂々と入って行く。開けると誰もいなかった。今度は人の気配も感じられなかったので、適度に観察する。豪奢なコートが掛けてあるあたり、ここがどうやら周防家の執務の中心らしかった。 そこを素早く出ると、今度は奥を見る。予想通り、パソコンを操作する人物が二人ほど画面に向かっていた。一人はこちらに背を向けていて、剛には全く気付かず、もう一人も最初は気付いていなかった。相手の心を先読みするかのように、剛は機先を制した。 「すみません。あの、お手洗...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」16

 「彼女はここのひとり娘だよ、後継者だ。紹介しようか?」 ブレイク氏にそう促されて、彼女に二人で近づいて行く。しかし、周辺には大勢の取り巻きがいて、話しかけるのも容易ではない。彼女がブレイク氏に気づいて近づいて来る。そのたっぷりとした上半身をダイエットでもしているのか細すぎる脚が支えている。 「Oh, Mr.Break, How are you?」 「Fine, and you?」 「I'm fine, thank you...」 笑いながら相手を見ているのか見ていないのかよくわからないような虚ろな視線を剛へ向ける。 「こちらの方は?」 「彼はハリス者の代表の親戚で、野上剛さんと言います」 「初めまして、野上です」 「初めまして、周防瑠璃です。日本へはお仕事で?」 「ええ、まあ、半年位の予定ですが」 「いいですねえ、アメリカは素敵なところですね」 「いちがいにそうとも言えませんが」 「色々とご苦労がおありで?」 「まあ、私はアメリカ生まれのアメリカ育ちですから、それほどは」 「それでは、ご安心ですね」 「野上さんには、その内にうちのパーティーに来てもらおうかしら」 「その前に私の家へ、皆さんをお招きしましょう。剛くんと瑠璃さんと」 「それは素敵ですわ、、、ぜひ」 その時、ちょうど取り巻きの一人がかなり大きな声で彼女を呼ぶ。 「わかってるわ。今行くから。ごめんなさいね。今日は、ゆっくりとお話もできなくて」 「いえいえ、あなたは今夜の主役のお一人ですから」 「すみません。今夜は、ぜひ、楽しんでらしてね」 「Hi! Mr.Break, How are you?」 「Excuse me」 知人に呼ばれたブレイク氏も周防瑠璃と共に遠ざかると、剛は周防恵里子の後ろ姿を一瞥する。 「夜の蝶に毒の華か、、」 その二人の姿を見ても、人いきれがする華麗なパーティー会場にいても、剛はものおじすることもなく、冷静な視線を投げかけていた。こういう場所はアメリカで既に慣れっこになっていた。 そして、ぐるりと辺りを見回す。

こんにちは

今日はまた不安定なお天気ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 ここで多少言い訳です。 私の英語は独学の面も多いため、Brokenですので悪しからず。 ただし、今後も学習を続けていこうと思っておりますので よろしくご理解のほどお願い申し上げます。 

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」15

「先生も本日はお越し下さいまして、いつもいつもありがとうございます」 「いやなに、今日も盛況だね」 「おかげさまで、彼の作品は人気なんですよ」 「確かに、、、どこか繊細で硬質な、フィルムでしっかりと覆っているようにかっちりとしている。そして色ガラスのような色彩」 「そこまで、おっしゃっていただけますと」 華やかというには言葉が足りない、どこかギラギラとした抑えられた情念の織り込まれた、繊細というより神経がひりつくようなその世界の中に、剛は滑り込んでいった。 「Hello! How are you?」 「Oh! Hello, Mr. Break, I'm fine, and you?」 「I'm fine...It's great success!」 「And, how about your business?」 「Don't talk about it now, but...Hey, Eriko, I'd like to introduce to you Mr.Takeshi Nogami. He's son of the president of Harris Corporation. He comes to Japan for research of Japanese economy.」 剛は夫人から紹介されたブレイク氏を探して近づき、挨拶を交わし、それから聖域の住人に向き合う。 「初めまして野上です。現在ハリス・コーポレーションの重役をしております」 「初めまして、周防恵里子です。それは素晴らしいですわね。日本は初めてですか?」 「いえ、何回か」 「失礼ですが、こちらでお生まれですか?」 「いえ、アメリカで生まれ育っております。父は日系二世ですから」 父は存在するのだろうか、、。 「でも、ハリス社なんて素晴らしいですね」 「少々、日本の状況を見にきたんですよ。支店を出そうかどうか検討中です」 「それは、また、要するにお仕事ですね」 「そうです。遊んでもいられませんよ」 「ブレイク氏とは長いお知り合いで?」 「ええ、ハリス社の代表が祖父母の代から付き合いがあって、とても懇意にしてまして、今回色々とお世話になりそうで」 そう聞くと、周防の目がはっきりと相手を値踏みするように鋭く光る。 「美術品は、お好きですか?」 「...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」14

 夫人は剛が日本で不自由しないように、あらゆる手配をしてあった。特に、調査対象となっている美術商の周辺には容易に近づけるように計らってあった。かつて第二次大戦の時、まだ貧しさの中にいた幼子であった夫人には不可能なことだった。あの時の屈辱をはらそうと躍起になっているわけではなかった。ただ、歴史的な現実を認めることのない高慢な人々に、それを認めさせたかっただけだった。そして何よりも夫人の父にとって最愛の先祖が必死で守ってきた、その作品を返して欲しいだけだった。 夫人はアメリカ政府高官にも裏から手を回しておいた。その高官でさえ剛の本当の身分は知らされていなかった。高官は、剛のことを夫人の身内で、日本には夫人の経営する会社の支社を作ろうかどうかを検討する目的で来日したと思い込んでいた。つまり富豪の子息であるという仮の身分の下に、調査会社の職員であるという本当の身分が隠されていた。 さらに、その仮面の奥のもっと深いところでは、特定できないある欲求に動かされている別の「自分」が隠れていた。人格は、めくってもめくっても芯が見えない、まるで玉葱のようになっているものだった。剛は、もしかしてめくりそびれて崩れてしまう領域に踏み込んでいるのを、まだこの時は知らなかった。ただ、いい知れない恐怖が徐々に内心に広がってきていた。恐怖は、まるで水滴のように、少しずつ剛の魂を侵していく。 その週の金曜日、調査はすでに始まっていた。美術商は古美術だけでなく、現代作家の作品も展示していた。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」13

入り組んでせせこましい東京の街中のどこにこんなものを作る余裕があったのかと。家賃のことを運転手に尋ねると、この位で70万円でしょうかと、平然と答える。 「Fuck, It's crazy!」 それと聞いて思わずそう叫んでしまった。以前にパリで同様なところを借りた時には12〜13万円だった。アメリカで、まだ住宅を買う前に借りていたマンションも狭くはなかったが、そんな値段はしなかった。 「信じられない!なんで、そんなに払えるんだ!」 そう繰り返す剛に、運転手は苦笑する。 「ニューヨークの最高級マンションだって家賃は100万円は下らないでしょう?」 「まあ、最高のやつは」 「日本も、、、そういう国ですから」 剛が突っ込む。 「貧富の差が激しいんだろう?ガキを育てる金がなくてトイレで出産して、へそのおが着いたまま置き去りにする女がいるかと思えば、プロダクションとの契約金に5億を要求する女もいる」 運転手は頷く。 「見かけはそうは見えませんが、実際には何もかも許され、何をしても咎められず、有り余る程の金品を持った一握りの人々と、明日食べるものもない人々と、誤魔化しのように存在する家一軒持てない「中流」と呼ばれている貧しい人々と、そして、貧しくはないのですが、欧米人の10倍もの労働を強いられている才能のある人々、、。それに、一握りの大金持ちは、ほとんど仕事はしていません。どうやってズルをするかが彼等の課題ですから。それにシェルターも持っていますから戦争も平気です」 「そうだな。そういうのは何処にでもいる」 「あなたが調べるのは、そういう一握りですよ、、。つまり聖域の住人」 告げられて、剛は夫人の一言一言を思い返す。 「極秘ですよ。犯罪組織を相手にするわけではないのです。でも、通常の方法で彼等の動向を理解することはなかなか出来ない。でも、私は通常の方法から始めたい」 「地道な調査ですか?」 「そうです」 運転手が去り、そのだだっ広いマンションにひとりきりになった時、言いようのない疲れが襲ってきた。前に数回日本に来た時には感じたことのなかった特種なもので、一体それが何を意味するのかわからなかった。同時に心の何処かで、まるで長い呪縛から解き放たれたかのように、ほっとする自分がいる。 「あなたの探しているものがきっと見つかる」 そう言っていた夫人の声が微かに響いたように思われた...

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」12

 同様に、日本の喫茶店に入ることができずに、アメリカンカフェを探し求めるアメリカ人もいる。関係のある人物が誰もいない国で、現地の家族が集う現地のレストランで、たったひとりで酒を飲まなければならないこと程、辛いことはないだろう。それよりも、長い滞在からくる疲労から逃れるために、一瞬でも自国にいるような錯覚を味わわせてくれる場所が居心地がいい時がある。 その日、自分と同じでありながら、自分と違う言葉を話す人だけに取り囲まれ、アメリカとはしかしながら違う印象のチェーン店に入りながら、剛はただひとりだけで、その場にいた。同じ文法、違う発音。剛の日本語は、どこかで他者とは違っていた。それは「ポテト」を発音する時に際立った。 出てきたチーズバーガーの包みを見た時、ここは日本だとさらにはっきりと思い知らされた。 「肉が薄くて小さい」 それだけのことだった。そんな些細なことにも苛つく自分に彼は苦笑した。 「コーヒーも分量が少ない」 くだらないことのように思われた。 レストランから剛が出てきた時、その表情は決して明るくはなかった。この先の調査を考えると多少緊張はあったし、さらに食事に対する不安が急に頭をもたげてきた。そう感じながら、どこかで、仕方ないと突き放していた。 「車がもう一台はいる」 「というと?」 「ベンツは目立つから」 「それは、、、アメリカでは何にお乗りで?」 「トヨタ」 「スポーツカーというわけではないのですか?」 「トヨタは音がしないから、調査には便利だ。目立つ車はそういう目的がある時にしか使わない。音が大きい車もだ。ベンツは、もちろん夜の豪奢な街では目立たないが」 「よくご存知で」 「まあ、情報は仕入れた」 「トヨタをご準備いたしましょう」 「そうしてくれると助かる。俺専用に。美術商に出入りしたりする時は、ベンツを使うので、その時は頼む」 「かしこまりました」 そして、指定されたマンションに着いた時、剛は驚いた。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」11

「あなたは、何か食べますか?」 「家、私は、先ほど食事を済ませてきたので、、」 「そうですか、じゃあちょっと」 「ごゆっくり。ここで待っています」 車を降りると、剛は大股で駐車場を横切って行く。硝子貼りのドアを通り抜けた途端、その身長と相まってアメリカ人特有の、どこか大きくリラックした動きが人目を引いていた。どことなく通常の日本人とは見えないばかりか、その隠された任務が要求する緊張が伝わったせいなのか、店内で列を作っていた日本の人々は少し避けるような動きをする。 「俺が怖いんだろうな」 そう、思わず英語で呟く。 「いらっしゃいませ、チョイスはいかがですか?」 「かしこまりました。ご一緒にポテトはいかがですか?」 世界中で繰り返される似たような決まり文句。その一方で、逆にどこへ行こうとも食べられるというある種の安心感。外国で、孤独が極限状態にまで達した時、貧しさが襲ってきた時、例え様々な避難があろうとも、ただそのチェーン店だけがそこに待っていた。皮肉にも世界の貧しい人々が集まるところ。最悪飢えなくてすむところ。今どき500円でルパ・コンプレ、飲み物と、メインと、サイドディッシュが食べられるところはなかった。一日一食をそこで済ませる者がいて、また、余っているポテトをかき集めて持ち去るホームレスが出入りする姿も見受けられる。アメリカのそのシンボルは、世界に拡大しつつある南北対立の現れでもあった。それが世界中どこにでもあるから、皮肉にもある人々にとってアットホームだったりする。そして、産まれて以来、家庭らしい家庭を持ったことのない者にとって、ファストフードレストランが悲しいことにダイニングキッチンの役割を担っていた。 アメリカ人である剛は、だからこういった店を否定も肯定もしていなかった。それに景気の動向を測るのには便利だった。ファストフード店の値段を見れば、景気が良いのか悪いのかよく分かる。 そこが外国でも何処でもなく、ただファストフードの店内であるという、その奇妙な安心感を、剛は日本で初めて味わった。 

キングダム2

先日観に行ってきました。アニメはずっと観ていて、実写の「キングダム1」はインターネットで拝見しました。 「キングダム2」は「キングダム1」を超えてさらにダイナミックな映像になっていて、アクションシーンなど感動的な場面がありました。さらに原野を疾走する歩兵と騎馬隊の場面など 非常によくできていたと思います。演技も映像も1を超えている感じがしました。 特筆することがあるとすれば、羌かい役の清野奈名さんがとてもカッコ良くて、演技もアクションも凄くて感動しました。孤高の武人でしょうか。 「キングダム3」を現在製作しているようなので今後に期待しています。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」10

 街の音がそう告げていた。母親の、お腹の中でもそれは聞こえていた気がする。戦争の焼け跡、破壊された荒れた地に建てられた荒唐無稽なビル群の、でこぼこにあらゆる音が反響しながら発する、野蛮で、堅さと柔らかさと、全ての立体を内包した、音階もハーモニーもないアバンギャルドな雑音。ヨーロッパの、保護された街の規則正しい建築と都市計画、コントロールされた建物の高さが創り出す交響曲とはまるで違う。パリでは街を通り抜ける空気がドビュッシーのシンフォニーとなる。 そう、夢想に沈んでいた剛の目の前に、突然アメリカの象徴が現れる。 「停めてくれ」 「はい?」 「ちょっと食事がしたい」 「機内ではお召し上がりにならなかったので?」 そう滑らかに英語で話すこの運転手は、どこか奇妙な印象を最初から与えていた。日本語に切り替えながら剛は、 「あなたは夫人とはどんな関係で?」 運転手はいずれそう聞かれるものと思っていたのか 「夫人のお父様には、、、アメリカで随分助けていただきました」 そう言いながら、何かを思い出しているようだった。彼の眉間には時折深い皺が刻まれる。 「私は、、、収容所を免れたんですよ。日本人であるにも関わらず」 あの当時、戦争が激しくなるにつれ、アメリカの敵国の民となった日本人は、誰彼構わず収容所に入れられた。ひとたび戦争が起これば、誰もそれを免れることはできない。 「私は、、、夫人のお父様の計らいで、それを免れたのです」 ファストフード店の駐車場で、ふたりはしばらく黙っていた。 「私のことは、何を聞いている?」 剛の問いかけに彼は答える。 「あなたが夫人の頼みで来日していることは知っています。ある人々の調査のためとか」 「私の身分は?」 「聞いているのは、あなたがアメリカの、夫人の経営する大企業に関係する人間で、かなりの資産家だということです」 「そうか、、」 「私は、余計なことを夫人に聞いたりはしません」 運転手のその言葉を、剛は半信半疑で聞いていた。外は初秋の冷たい風が吹いていて、時々上空を飛ぶ飛行機のジェット音が風の音と混ざりあっていた。木々のざわめきがそして遠くから微かに聞こえる。灰色の駐車場には黒いベンツが重々しく不吉な影を落としていた。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」9

幼い頃から、どこか冷たい世界に慣れていたせいで、セックスフレンドがいれば、それで十分だと剛は考えていた。恋愛に縁が全くなかったかというとそういう訳でもなかったが、職業上関係が煩わしくなるような状況が頻発し、長くは続かなかった。そして、自分が本当の意味で、誰も愛せないのではないかと、いつもどこかで考えていた。 「俺は冷たい人間だから」 それが、ある種の言い訳でもあり、決まり文句でもあった。いつも、他の人間との間に、上手く言い表すことの出来ない距離を感じ、それが、ますます彼をある意味で孤独にさせていた。しかし、孤独との付き合いもこう長くなると、それにも慣れてしまっていた。自分の中にある、他人との間に生じる隔たりを他の誰が感じえるのだろうと、それを理解できる人間に出会うことはないだろうと、疲れた時には、変にロマンチシズムに沈むこともないわけではなかった。その感傷を、仕事の厳しさで打ち消していた。  到着し、空港の風景が遠ざかるにつれ、自分が今どこにいるのかが一瞬つかめなくなる。無国籍な空港そのものとは別に、かってある国ではゾーンと呼ばれた空間が、まるでハンで押したかのようにどの国にも空港周辺に広がっている。ちょうど、都市がはっきりとその国の姿を、あるいは広告の文字などによってその印を取り始めるまでの場所で、それはどこか人気がなく、太い道路の脇には、いつ刈り込まれたのかわからない低木の群れが、騒音防止のために不規則に並んでいる。それがもちろん民家を覆い隠しているせいなのか、自分が通っている道と外界には恐ろしい程の隔たりがある。 そして、その道は、その国へと入るための長いトンネルを思わせる。 しかし、都市に入った瞬間に、確かに何かが違う。それは光と空気とでもいうようなものだろうか、空気の粒子の中に漂う、反射しているそれぞれの都市の人間の、まるで生命の色とでも言うべきか。そして、東京のその色を感じた途端、剛はある衝撃を受けた。 「ここは、俺がこの世界に降りた場所だ」

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」8

 「もちろん、必要な資金援助は私が全ていたします。それらは資料の最後に明記されています。あなたの上司も承知してくださっています」 「分かりました」 「でも、どうしても誰かの助けが必要な時には、私に相談して下さい。状況を見て、あなたの上司とも相談の上、配慮したいと思います」 「承知しました」 「あなたの身分は、いずれにしても完全に極秘で、日本での身分は、私の身内ということで保証されています。向こうに到着した時から、全ては手配済みになっているでしょう」 その、夫人との面会から1ヶ月が経ち、剛が航空機から成田空港に降り立った時、すでに迎えの車が待機していた。夫人が、もちろんその運転手にも剛の身分は明かさずに、空港から住居まで案内するように手配してあっただけのことのように最初は見えた。 それに加え、日本への渡航が剛にとって初めてではなかったことが、調査を当初は容易いものに見せていた。もともと、日本・アメリカ間の事件や案件を調査する部署に配属されていたため、事前にある程度の調査とシミュレーションはしてあった。主な建造物がどこにあるか、あるいは道路の状況などは、航空写真を含め、あらゆる資料を研究し、把握済みだった。 問題があるとすれば、身体的なことだった。スポーツなどは、適当にクラブを利用すればいいとしても、滞在が長期に渡れば、精神衛生上、全く異性なしという訳にもいかなかった。ただし、病気の危険性もあったのと、任務が極秘という性質上、迂闊に女性に近づく訳にもいかなかった。かといって、本国から連れて来れば足手まといになるだけで、誰か適当な相手を日本で見つけるしか今のところ方法がなかった。食欲同様、性欲を満たすことは、身体と精神を健全に保つためには不可欠だと剛は思っていた。ただし 「恋人は必要ない」 それが、彼のある種のポリシーだった。

私の名曲その1「18 and Life」Skid Row

You Tubeでも再生回数がすごい曲ですが、とてもよく分かります。 この曲は悩みを抱えているティーンエイジャーの心にとても響く名作です。 かくいう私も10代の頃は家庭の事情から問題が多かったので 悩み事が絶えなかったのです。 そんな時に、この作品に出会って、共感して、 今でも心に響いてきます。 PVもとてもよくできていて、確かにアメリカのティーンの日常が描かれていても、 世界中のティーンの悩みと孤独が反映されています。 みんなに聞いて欲しいおすすめの一級品です!  

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」7

 「でも、どうしてその宝石が日本にあると判明したのですか?」 「それは、詳細はその資料に書いてありますが、かいつまんで言えば、私は、代々受け継がれた家宝を探しています。それはかって父が捜していたものです。父の日記によれば、その宝石の存在を、それが鑑定に出されたことから知るようになったそうです。鑑定を依頼された会社の内部の知人から、その宝石が戦時下で奪われた品物であることが内密に伝わってきたそうです。つまり、もともとは私達のものであり、お金ではなく、それを返還して欲しいだけなのです。決して高いものではありません」 「他に、この資料にあること以外、隠していることはないでしょうね」 「、、、ないわけではありません。しかし」 「しかし?」 「今、ここで話すことが適切とも思えません。いずれ話すことになるとは思いますが、私の推測を、調査が始まる前にあなたに語るわけにはいかないのです。さらに」 「さらに?」 「私の推測が、正しいとは言えないからです。いずれ調査が進めば、あなたがどうしても知りたくなること、あるいは裏付けが必要になることが、必ず出てくるはずだからです。もちろん、私の考えが正しければの話ですが」 「もし、間違っていたら?」 「その時は、、、少なくとも、この調査の半分は意味が無くなるのです」 「半分?」 「その半分は、、、多分」 「多分?」 「いえ、やめましょう。今は意味がないのです。もしかしたら全て私の誤りかもしれないのですから」 夫人はそこで一旦言葉を切る。 「真実は、自ずから姿を現すでしょう」 「分かりました。いずれ、、」 「それから、もちろんご存知だとは思いますが、この調査は極秘です。もしその宝石がまだあるのなら、それを捜していることが相手に分かれば、宝石が壊される危険性があるからです」 「分かりました」 「つまり、それと関連して、この事件の性質上、あなたひとりに取り敢えずお願いしたい。何も犯罪組織を相手にするわけではないので」 「それは、解っています」 戦時下での盗難は犯罪ではないのだろうか、、、ふと剛は疑問に思うものの、そのことは黙っていた。

こんにちは

 急に梅雨が明けたので猛暑で大変です。 皆様も体調を崩されませんように。 昨日はばてていました。(^^;)

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」6

それと同時に夫人の奥底に眠る、自分と同質の果てしない孤独を剛は見ていた。戦争で傷を負った永遠に理解されることのない人々の終わり無き彷徨。そして彼はその言葉「第二次世界大戦」によって何かを思い出しかけていた。その戸惑いを夫人は敏感に感じ取る。戦争の言葉を、それに剛は、ある場所で聞いていた気がする。面会に来た、この夫人が話していたことだったのかもしれない。 「あなたは必ずやってくれる。私には分かる」 それには剛は答えずに、孤独で澄んだ瞳をじっと夫人に向ける。 「探して欲しいものがあります。私の先祖が所有していたもの」 「分かりました」 それが何を意味するのか剛にはすぐ飲み込めた。人間が獣に変わった第二次世界大戦。いや、きっと多分太古の昔から、人は人ではなかったのかもしれない。今も悪魔と天使が神の意思を確かめようと戦っている。命を消す側に立つのか、守る側に立つのか。 「あなたならきっと見つけてくれるはず」 「品物は?」 「古い宝石です」 その言葉がさらに剛の中の何かのボタンを押した。何かを捜し求める自分が「宝石」に反応していた。 「分かりました」 声がはっきりと大きくなる。 「詳細はこの資料を読んでくだされば分かりますが、終戦前にその宝石を日本のある古美術商が所有しているというところまで私の父は突き止めたのです」 「日本、ですか」 「そうです」 夫人はそして沈黙した。日本、という言葉が剛をさらにある衝動へと駆り立て始めていた。 「あなたが、昔言った、私に頼みたかったこととは」 「そうです」 「どうして私に?」 「それはその内に分かるでしょう。あるいはあなたには分からないかもしれない。分からなければ調査は難しいものになるかもしれないし、あるいはその事とは関係なくあなたは続けてくれるでしょう」 「そんな抽象的な言い方では不明瞭で、最初から調査の障害になると思いますが」 「分かります。でも、私も全てを知っているわけではないのです。私が知っているのは、私の父が、宝石を捜している時に、殺人事件があり、宝石の行方がそれ以来分からなくなったという事なのです」 「でも何故私に?」 「それはあなたが自分で理解する事です。あなたが知りたい何かが、そこにあるはずです」 「私の、、」 「あなたには、日本語教育を充実させるよう、だから学校を選びました」 「この、ために?」 「それもあります。でも、...

こんにちは

今週末から気温が上がって熱中症に注意ですが 皆様いかがお過ごしでしょうか。  

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」5

 若い母親と共に冷たいコンクリートの路上に放り出された剛は、その後アメリカを後にしたその母にも見捨てられた。彼女は自分一人分の飛行機代を捻出するのがやっとなのか、受け入れてはくれなかったその大地を、逃げるように去っていった。ひとりニューヨークに置き去りにされた彼は、当然のごとく養護学校に入ることになった。しかし、それから程なくして、ある夫人が剛に注意を払うようにと援助を申し出たので、その期待に応えなければならないと学園長に告げられ、養護学校から寄宿学校へと移される。それはただ足長おじさんというような生易しいものではなかったし、かといって何か過酷で冷酷なものでもなかった。 「私が、あなたに今こうするのは、将来あなたに頼みたい事があるからなのです。これは取引のようなもの。強い意志を持つ人にしかできない仕事があります。今のところ、それが将来できそうなのはあなたしかいないのです。だから、何も負い目を感じる必要はありません。ただし、しっかりと生きていけるよう、私が全て手配します。あなたにはどうしても実行して欲しいことがあるのです」 まだ5歳だった剛は、夫人のその言葉を全て覚えていたわけではない。それに30年以上も前のことなので、あの当時、夫人はまだ若かった。その時以来、その夫人が確かに剛の学業や生活の援助をしてはいた。ただ、その女性が、まるで里親のごとくに面倒をみたりということは決してなかった。それはまるで、ある種の契約関係の様だった。まだ親が必要だった幼子には、それは厳しい対処の仕方だったのかもしれない。ただ、夫人はその時に、彼女は決して親にはなれないと明言していた。彼女はそうすることは全く望んでいなかった。 その遠い過去への回想を打ち破るように、夫人は唐突にはっきりとした声で口をきいた。 「My grandfather is killed by」 「World War Two」 「Why you understand?」 「I feel, I don't know」 口をついて出てきた自分の言葉に、剛は自身で驚いていた。

こんにちは

 今日も不安定なお天気ですが 皆様はいかがお過ごしでしょうか。 気温は程よく過ごしやすいので その点はいいかなとか思っていました。 でもヨーロッパでは35度を超える日々が 続いているようでやはり温暖化なのでしょうか。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」4

その日も、いつものように朝のオフィスで、調査会社に勤める剛は、熱いコーヒーに口をつけ、デスクの書類に目を通す。そうしながら、どこか今のこの自分が現実とは徐々にかけ離れていくような印象が拭えない。1枚1枚書類をめくっていると、呼び出しのブザーが短く鋭く鳴る。 「Yes?」 「Takeshi, could you come to my office, now?」 上司のリック・ヌッセンバウムのオフィスに入ると、机には何やら古びた書類の束と、開かれた手紙が一通のっている。上司の顔つきは神妙ではあるが、かといって残虐な事件を扱う時のような、悲痛な表情は見受けられない。どちらかというと、まるで何かの歴史的使命を帯びた時の様な印象を与えていた。剛が部屋へ入ると、上司はゆっくりと顔を上げる。その動作はどこか重々しかった。 「どうしてもやってもらいたい仕事がある」 「どうしてもというのは?」 「名指しだ。あるご夫人から」 「そのご夫人の名前は?」 「今日、面会に来る。ボスを通して仕事が依頼されてきた」 そして ヌッセンバウムはしばらく沈黙する。 「その夫人から、じきじきに、お前なら必ずやってくれると」 「どうして?」 「私にもその点は説明がない」 言いながら彼はじっと剛の目を見据える。 「調べて欲しい事があるそうだ。午後、彼女がここに来るので、直接話を聞いて欲しい」 「わかりました」 その日の午後、剛がガラス越しにニューヨークの変形してしまったビル群の影を眺めていると、内線のブザーが鳴り、ボスの呼び出しがかかる。手にしていたコーヒーカップをゆっくりとデスクに置いた時、一瞬目の前を何かがよぎったかのように眉間に皺を寄せる。長く、規則正しい配置の廊下を歩いていくと、自分の靴音がまるで宿命の鐘の様に床に当たって響く。スローモーションの様に周囲の人々が後ろへ立ち去り、今までの人生が急に現実世界から離脱し、その破片の中から何かを拾い出し、別の人生の再構築を音もなく始めていた。 まるでほんの少しワープしたかのように、気がつくと目の前に指定された、No.1945の扉があった。ゆっくりとドアを開けると、黒い服に身を包んだ背の高くない年配の女性がじっと剛を見つめた。入れ違いに、上司は部屋を出て行った。 「私は」 話し始めた夫人を片手で制して、 「あなたのことはもちろん覚えています」 夫人はそれを聞い...

こんにちは

 今日も何だかはっきりしないお天気で この頃はもう梅雨なのかなとか思っています。 薔薇の季節も終わりましたが 今年は写真を撮りに行くことができて ほっとしました。 皆様、良い1日をお過ごしくださいませ。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」3

 洗面台のくすんだ鏡には、髭を剃る前の疲れたような表情が映っている。眠ったはずなのに、このところうなされて時々朝ベッドから出られない。 「こんなことじゃ、、」 銀色の蛇口から勢いよく水を出すと、冷たい飛沫が心地よく両手に叩きつけられる。顔を洗い、髭を剃り、シャツを身につけ、そしてネクタイを緩く締める。そうしながら、神経が軽く泡立っているのを押さえることができない。強いはずの自分の内側に眠っている、どこか何かに時折怯えるようなそぶりを見せる、その感じが剛を苛立たせていた。それを無視すればする程、そうされることに頑強に抵抗する何者かが内側に存在した。まるでその何者かは、その手に何かを断罪するための剣を握っているかの様だった。それが強く感じられる時、しかし恐怖はよりいっそう強いものになる。その一端に、剛の5歳の時の記憶はリンクしていた。 当時レストランでパートをしていた日本人の若い母親と一緒に、やがて冬になろうという寒い夜に路上に彼は放り出された。その時の母親の恋人らしき男は、その母親、あゆみの腹を思いっきり蹴り上げた。 激しく降る雨がコンクリートに叩きつけられ、濡れた路面には毒々しいネオンがまるで黒い蝶の羽の鱗粉の様に、ギラギラサラサラと光っていた。あゆみとまだ幼い剛は乱暴にドアの外へ押し出され、女の背中にはバッグが投げつけられた。 泣き崩れる母親の体の下で、少年は涙ひとつ見せなかった。その目は暗く光っていた。 「生きてやる、生きて、、」 そう、その言葉を胸に深く刻みつけ、以来、剛は青年になる時まで、幼さの中にいつもどこか冷静さを隠し続けてきた。 ただ近頃の夢の繰り返しは、あまりにも頻度が高く、それが、彼の中に眠っている何かを引きずり出そうとしていた。

こんにちは

 今日はいいお天気なので気持ちがいいです。 今週末は用事が入ったため、連載を本日掲載いたします。 皆様良い1日をお過ごしくださいませ。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」2

 海外でも、50パーセントの銀行が困難に見舞われると予測され、ロンドンではケータリングや、有名レストランの売上は激減していった。そしてパリの凱旋門が、その姿をまるでこれから消滅するかのように凍った空気の中に浮かび上がらせていた。クリスマスを過ぎたネオンの中のその様子は、どこか頼りなく、まるで死を宣告された人物の最後の写真のようにオレンジ色に光っていた。 別の嵐がさらなる不況を呼び寄せ、9・11以来、ニューヨークでは東京がそうであるように賃金カットが相次いでいた。多くの人が出口のない閉塞感に苦しみ、やがてその波は徐々に犯されざる聖域にまで及んでいった。そんな中、世界の美術オークションでは記録的な赤字が出始めていた。下降する渦巻きは天空のビーナスの細く可憐な足首にも鎖をかけ始め、蟻地獄に引きずり込まれまいとする美の女神の悲痛な叫び声が聞こえていた。 その豊穣の終わりを告げる時代の呻き声に、それらの終焉を予告するかのように、あの時の母の鳴き声が重なって響いていた。 「出て行けって言ってんだろ!」 「アレックス!」 「俺の名前を口にすんじゃねえよ!おめえみたいな厄介者は、とっとと出て行きやがれ。ぐずぐず、ぐずぐずしやがって!二度と戻ってくんな!」 「アレックス、、、お願い、せめて、せめて」 「黙れ!黙れ黙れ!」 「アレーックス!!」 ボロ雑巾の様に路上に放り出されたあの時の母の叫び声は、まるでまとわりついてくる濡れたシャツのように執拗で、変容しながら剛の夢の中から流出してきていた。 その夢が、夏の終わり頃から、現実に裂け目を作り始めていた。そして、その日も朝目覚める前、彼は何かを掴もうとして手を伸ばし取り逃した。時折蘇る、5歳の時の記憶の奥に、何かを取り残しているような気がいつもしてならなかった。そこにどうしても通り抜けられない、薄くそして強い膜がかかっていた。 朝日が高層ビルの窓から差し込み、夏も終わろうとしていた。季節が溶け合い、それが奇妙な空洞を作り出していた。握りしめた両手には汗が滲んでいた。その湿り気は、外気とは関わりがないのは明らかだった。昨日から長袖のワイシャツでも肌寒いくらいだった。そのまましばらくベッドで横になっていると、何かが近付いてくる予感がする。夢を見る頻度が彼にそれを知らせていた。

こんにちは

おの頃、天気は日替わりです。今日はいいお天気です。 気分も明るくなります。 皆様はいかがお過ごしでしょうか。 良い1日を。 

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」1

 「この冬のホームレスは現在のところ13人ほどです。彼等は温められた酒で寒さを凌ぎ、テント生活をしています。しかし、マイナス10度、20度になると凍死がちらつきます。ホームレスを支援する活動が年末年始行われています。ボランティアは食材を配り、未払いの賃金を確保させる知恵をホームレスに授けます。ただ年末年始のこうした援助も5日には終わり、あとはただどうやって飢えをしのぐのかが彼等の心配事となります。彼等が寝ている地下鉄の駅では、終電が出るとシャッターを下ろし、彼等は行き場を失います。例えば公共の公園では彼等が入らないように、柵を設けています。また地下の通路では彼等が寝ることができないようにオブジェを作り、場所を塞いでいます。政府は、彼等に対する何らの政策も現在のところ持ってはおりません。終戦後、アメリカが日本にその衛生状態を調査に来て以来、日本が再びこの問題に襲われる時代が来るとは想像もしていませんでした」 テレビでは冬になると連日のように出口のない経済状況が報道され、また身寄りのない高齢者が寒さに震えながら、こたつで体を温め、その後、餓死した姿で発見されるという、これが日本の現実だった。目を背けようとしても、季節が厳しくなればいやでもニュースとして耳にする。 世相は荒れ、年末にはスリや強盗が相次いだ。容赦ないサバイバルゲームの中、国民は疲れ切っていた。

新作「Thirteen 13ー再生ー」連載開始いたします

 この度、新作の連載をここで開始することとなりました。 よろしくお願いいたします。

こんにちは

今日はあまりいいお天気ではありませんが 皆様はいかがお過ごしでしょうか。 気温が上がったり下がったりしておりますので お体には十分にご注意くださいませ。 

ヘタリア

 このところ、毎日、アニメ「ヘタリア」を観ていました。 なんだか楽しくて、、、。原作者の日丸屋秀和さんはニューヨークで作品を 創られたとか。 様々な国の細かい事情が描かれていて面白い作品です。(^^) 原作の漫画も今読んでいますが、細かいツッコミにぷっと吹き出しています。 各国の状況をユーモラスに、時には真剣に描いてあり、おすすめです。 原作は10年前くらいに創作されているので、ご存じの方が多いと思います。 そもそも歴史が好きなのですが 世界が前よりもっと好きになりました。 イタリアが可愛い。。。 早く海外旅行に行きたいなあ。。。っと。

こんにちは

この頃はあまりお天気が良くありませんが 皆様はいかがお過ごしでしょうか。 私は仕事が色々と大変でたまに凹んでます。。。 ブログの移行は大丈夫な感じで、そこは心配がなくなりました。 今後ともよろしくお願いいたします。 

映画「名探偵のコナンーハロウィンの花嫁」

内容はかなり面白かったです。大人でも十分楽しめるため、観客は大人が7割くらいでしょうか。 探偵アクション映画としてはとても良くできていて、出演するキャラクターも大人が7割でしょうか。男性のキャラはイケメンくん多数なので、ウケがとても良い感じ。(^^) 全体のバランスと見どころの見せ方が、もちろん定番なのか、とても良かったです。アクションもかなり派手で、動きも早く、画面の切り替えや展開が気持ち良く運ばれていました。 内容に関しては現在上映中であるため、ネタバレを避けるため、記載は避けます。アニメ好きな視聴者の方はとっくに観に行っているとは思いますが、オススメです。 コナンくんに関しては巷で様々なネタ話がありますが、それはそれで。 

こんにちは

ゴールデンウィークも終わりですが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。 ずっとお仕事だった方々もいるかと思います。 先日は映画を観に行きました。 なんと 「名探偵コナンーハロウィンの花嫁」です。(^^) 

こんにちは

 今日はいいお天気でよかったです。 皆様はいかがお過ごしでしょうか。 昨日は荒れたお天気だったので、ちょっと大変でした。 皆様、良いゴールデンウィークをお過ごしくださいませ。

オトメイト

ここ数年、様々なアプリで乙女ゲームをしていましたが 先日、オトメイトの「オランピアソワレ」というゲームを始めました。 まだ、始めたばかりの感想ですが、ストーリーが独特で面白いです。 ファンタジー要素が強いのかな?という感じです。 ニンテンドースイッチでは「Diabolic Lovers」というゲームを試してみましたが こちらはちょっとサディスティックオカルトミステリーな感じ。アニメも観ました。 遅まきながら、オトメイトのゲームで少しずつ遊びたいなと思ってます。  

こんにちは

皆様、いかがお過ごしでしょうか。  こちらへの連載の継続に関する移動時期はまだ検討中です。 ウェブリブログの終了前に連載の継続を移動する予定です。 終了が来年なので、定期告知という形で現在進行中です。

こんにちは

 この頃、お天気や気温が不安定ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 先日は雨に降られてしまって、結構大変でした。 春と言っても寒い日もありますので 体調管理にお気をつけくださいませ。 こちらへの連載開始時期はまだ未定ですが よろしくお願いいたします。(^^) 良い1日をお過ごしくださいませ。

こんにちは

 こちらへの連載の移行開始時期はまだ未定です。現在検討中で、ウェブリブログの終了前になる予定ですが、読者の皆様の認知度が上がってきたところで、こちらへ移行したいと思っております。 ウェブリブログのサービスが終わることはなかなかの問題でしたが、いろんな意味でブログサービスに対する勉強とはなっています。 今後、こちらのブログサービスの特徴を学びながら、順次移行手続きを行いたいと存じます。 よろしくお願いいたします。 良い1日をお過ごしくださいませ(^^)/

こんにちは

今日はいいお天気ですが、夜になるとどうでしょうか。 気温が低いため、どうやら桜は長持ちしているようです。 近所の桜を眺めつつ、春の訪れをひしひしと感じております。 色々と大変なご時勢ではありますが、皆様が安心して暮らせますよう お祈りいたしております。 さて、新規のブログの操作にもだいぶ慣れてきました。 連載の継続記事をいつから移行すればいいのか現在検討中です。 よろしくお願いいたします。(^^) 

こんにちは

こちらの操作にもだいぶ慣れてまいりました。少し安心です。 連載の継続開始時期に関してはウェブリブログで告知いたします。 またこちらで開始の場合も同様に開始の告知を行います。 よろしくお願いいたします。 

こんにちは

こちらへの移行手続きのため現在準備中です。 連載をいつから移行するのか現在検討中です。 読者の皆様になるべくご不便をおかけしないようにと考えています。 ウェブリブログでの連載は継続しておりますが いずれこちらでの連載になります。 なお、エッセイやお花の世界はTwitterで掲載開始してます。 ウェブリブログで過去に掲載分もございますので よろしくご理解のほどお願いいたします。  

こんにちは

こちらのブログへの接続をスムーズに行うため、ウェブリブログサービスの終了はまだ来年ですが、定期的に移行経過の記事を掲載しています。 どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。 新作は現在応募中ですので、結果待ちです。 5〜6月には結果が出るとは思います。  

こんにちは

特段、今日は 何もないのですが、今後の連載をこちらへ予定しておりますので、改めて告知です。 新作をどのように発表するのか、投稿した作品の結果待ちです。 あるいは現在ほぼ完成している作品をどうするのか考え中です。 皆様、良い1日をお過ごしくださいませ。

新設ブログへと移行手続き中です

 過去に連載した分の記事はウェブリブログに掲載されています。いずれ読むことができなくなりますので、ご希望の方はお時間がある時にご一読ください。 現状の連載はまだウェブリブログへ連載中ですが、いずれこちらのブログへ連載継続となります。 相互リンクが完了しておりますので、どちらからも行けるようになっております。 ウェブリブログは早ければ今年の春から夏頃には場合によっては終了となります。 終了時期ですが、ウェブリブログのサービス自体は来年までですが、ブログの終了時期に関しては現在検討中です。 決まり次第、改めて告知いたします。 よろしくお願いいたします。

無事にリンクを貼ることができました

 とりあえず、過去の連載分を読者の皆様が読むことができれば安心です。でも問題もあるため、今後は様々な側面を熟慮してブログを運営していきたいと存じます。Blogger様にお願いすることとなりますので、よろしくお願い申し上げます。 まだまだ操作に不慣れな部分がありますが、読者の皆様どうぞご容赦くださいますようお願い申し上げます。 過去記事は削除になるかと思いますので、特に連載にご興味がおありの場合は、お時間のある時にお読みくださいますようお願い申し上げます。 折を見て、アマゾンキンドルで出版予定でおります。ご理解のほどよろしくお願いいたします。 とりあえず、悩みが一つ解決いたしました。 皆様、お休みなさいませ。

またまた勉強中です。

 どうでしょうか。 楠えりかのフレンチ・ヴォイス・ブログ 行けるかしら? これはどうでしょうか。 ツイッター

だいぶ状況がわかってきて

 アクセスも確認できるようになりました。 今日もツイッターにアドレスを表示してみたいと思います。 小説の発表の場としてブログは重要ですので慎重になっています。 グーグルさんのブログは様々なオプションもあるようですが それなりに複雑なので勉強が必要なのかもです。
現在操作性を試しているところですが、小説は恐らくこのGoogleさんのブログになると思います。過去記事をどうするのか現在検討中です。 今後のことも考えて慎重に行っていきたいと思います。 ウェブリブログのサービスが終了するのが来年ではありますが、今から準備していきたいと思います。小説はもちろんライフワークでもあります。 皆様の利便性を考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 こちらに新しい作品を少しずつ掲載することも考えています。  

先ほどは多分操作を誤ったのでしょう

読者の皆様にはしばらくご不便をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。 ウェブリのサービス終了告知を見て、今週はものすごく焦って疲れちゃいました。 でも、様々なブログサービスがあることを知って、ある意味勉強になっています。 ブログは作品発表の大切な場所でもありますので、読者の皆様の利便性を考えて 行動していきたいと存じます。 

簡単なプロフィールです

先ほど投稿したのですが、表示されないようですので再度、投稿いたします。 なにぶん操作に不慣れなものでご容赦ください。 Biglobeウェブリブログが2023年にサービス終了のため、現在ブログを新設するため検討中です。 掲載する内容は小説で、現在まぐまぐでろまんくらぶ「まぼろし」を連載中。文芸社からミステリーエンターテインメント「D」を出版。ウェブリブログではろまんくらぶ「仮面の天使」を連載中。アマゾンキンドルから「華石ー遠い記憶ー」を出版。新作は応募中で受かるかどうかでしょうか。 パリ大学現代フランス文学修士号。文学と映像の比較分析が専門です。 幼少時より音楽、絵画など芸術全般に深い関わりを持っています。 今後とも楠えりかをよろしくお願い申し上げます。のんびりした性格でバラが好きです。