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6月, 2022の投稿を表示しています

私の名曲その1「18 and Life」Skid Row

You Tubeでも再生回数がすごい曲ですが、とてもよく分かります。 この曲は悩みを抱えているティーンエイジャーの心にとても響く名作です。 かくいう私も10代の頃は家庭の事情から問題が多かったので 悩み事が絶えなかったのです。 そんな時に、この作品に出会って、共感して、 今でも心に響いてきます。 PVもとてもよくできていて、確かにアメリカのティーンの日常が描かれていても、 世界中のティーンの悩みと孤独が反映されています。 みんなに聞いて欲しいおすすめの一級品です!  

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」7

 「でも、どうしてその宝石が日本にあると判明したのですか?」 「それは、詳細はその資料に書いてありますが、かいつまんで言えば、私は、代々受け継がれた家宝を探しています。それはかって父が捜していたものです。父の日記によれば、その宝石の存在を、それが鑑定に出されたことから知るようになったそうです。鑑定を依頼された会社の内部の知人から、その宝石が戦時下で奪われた品物であることが内密に伝わってきたそうです。つまり、もともとは私達のものであり、お金ではなく、それを返還して欲しいだけなのです。決して高いものではありません」 「他に、この資料にあること以外、隠していることはないでしょうね」 「、、、ないわけではありません。しかし」 「しかし?」 「今、ここで話すことが適切とも思えません。いずれ話すことになるとは思いますが、私の推測を、調査が始まる前にあなたに語るわけにはいかないのです。さらに」 「さらに?」 「私の推測が、正しいとは言えないからです。いずれ調査が進めば、あなたがどうしても知りたくなること、あるいは裏付けが必要になることが、必ず出てくるはずだからです。もちろん、私の考えが正しければの話ですが」 「もし、間違っていたら?」 「その時は、、、少なくとも、この調査の半分は意味が無くなるのです」 「半分?」 「その半分は、、、多分」 「多分?」 「いえ、やめましょう。今は意味がないのです。もしかしたら全て私の誤りかもしれないのですから」 夫人はそこで一旦言葉を切る。 「真実は、自ずから姿を現すでしょう」 「分かりました。いずれ、、」 「それから、もちろんご存知だとは思いますが、この調査は極秘です。もしその宝石がまだあるのなら、それを捜していることが相手に分かれば、宝石が壊される危険性があるからです」 「分かりました」 「つまり、それと関連して、この事件の性質上、あなたひとりに取り敢えずお願いしたい。何も犯罪組織を相手にするわけではないので」 「それは、解っています」 戦時下での盗難は犯罪ではないのだろうか、、、ふと剛は疑問に思うものの、そのことは黙っていた。

こんにちは

 急に梅雨が明けたので猛暑で大変です。 皆様も体調を崩されませんように。 昨日はばてていました。(^^;)

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」6

それと同時に夫人の奥底に眠る、自分と同質の果てしない孤独を剛は見ていた。戦争で傷を負った永遠に理解されることのない人々の終わり無き彷徨。そして彼はその言葉「第二次世界大戦」によって何かを思い出しかけていた。その戸惑いを夫人は敏感に感じ取る。戦争の言葉を、それに剛は、ある場所で聞いていた気がする。面会に来た、この夫人が話していたことだったのかもしれない。 「あなたは必ずやってくれる。私には分かる」 それには剛は答えずに、孤独で澄んだ瞳をじっと夫人に向ける。 「探して欲しいものがあります。私の先祖が所有していたもの」 「分かりました」 それが何を意味するのか剛にはすぐ飲み込めた。人間が獣に変わった第二次世界大戦。いや、きっと多分太古の昔から、人は人ではなかったのかもしれない。今も悪魔と天使が神の意思を確かめようと戦っている。命を消す側に立つのか、守る側に立つのか。 「あなたならきっと見つけてくれるはず」 「品物は?」 「古い宝石です」 その言葉がさらに剛の中の何かのボタンを押した。何かを捜し求める自分が「宝石」に反応していた。 「分かりました」 声がはっきりと大きくなる。 「詳細はこの資料を読んでくだされば分かりますが、終戦前にその宝石を日本のある古美術商が所有しているというところまで私の父は突き止めたのです」 「日本、ですか」 「そうです」 夫人はそして沈黙した。日本、という言葉が剛をさらにある衝動へと駆り立て始めていた。 「あなたが、昔言った、私に頼みたかったこととは」 「そうです」 「どうして私に?」 「それはその内に分かるでしょう。あるいはあなたには分からないかもしれない。分からなければ調査は難しいものになるかもしれないし、あるいはその事とは関係なくあなたは続けてくれるでしょう」 「そんな抽象的な言い方では不明瞭で、最初から調査の障害になると思いますが」 「分かります。でも、私も全てを知っているわけではないのです。私が知っているのは、私の父が、宝石を捜している時に、殺人事件があり、宝石の行方がそれ以来分からなくなったという事なのです」 「でも何故私に?」 「それはあなたが自分で理解する事です。あなたが知りたい何かが、そこにあるはずです」 「私の、、」 「あなたには、日本語教育を充実させるよう、だから学校を選びました」 「この、ために?」 「それもあります。でも、...

こんにちは

今週末から気温が上がって熱中症に注意ですが 皆様いかがお過ごしでしょうか。  

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」5

 若い母親と共に冷たいコンクリートの路上に放り出された剛は、その後アメリカを後にしたその母にも見捨てられた。彼女は自分一人分の飛行機代を捻出するのがやっとなのか、受け入れてはくれなかったその大地を、逃げるように去っていった。ひとりニューヨークに置き去りにされた彼は、当然のごとく養護学校に入ることになった。しかし、それから程なくして、ある夫人が剛に注意を払うようにと援助を申し出たので、その期待に応えなければならないと学園長に告げられ、養護学校から寄宿学校へと移される。それはただ足長おじさんというような生易しいものではなかったし、かといって何か過酷で冷酷なものでもなかった。 「私が、あなたに今こうするのは、将来あなたに頼みたい事があるからなのです。これは取引のようなもの。強い意志を持つ人にしかできない仕事があります。今のところ、それが将来できそうなのはあなたしかいないのです。だから、何も負い目を感じる必要はありません。ただし、しっかりと生きていけるよう、私が全て手配します。あなたにはどうしても実行して欲しいことがあるのです」 まだ5歳だった剛は、夫人のその言葉を全て覚えていたわけではない。それに30年以上も前のことなので、あの当時、夫人はまだ若かった。その時以来、その夫人が確かに剛の学業や生活の援助をしてはいた。ただ、その女性が、まるで里親のごとくに面倒をみたりということは決してなかった。それはまるで、ある種の契約関係の様だった。まだ親が必要だった幼子には、それは厳しい対処の仕方だったのかもしれない。ただ、夫人はその時に、彼女は決して親にはなれないと明言していた。彼女はそうすることは全く望んでいなかった。 その遠い過去への回想を打ち破るように、夫人は唐突にはっきりとした声で口をきいた。 「My grandfather is killed by」 「World War Two」 「Why you understand?」 「I feel, I don't know」 口をついて出てきた自分の言葉に、剛は自身で驚いていた。

こんにちは

 今日も不安定なお天気ですが 皆様はいかがお過ごしでしょうか。 気温は程よく過ごしやすいので その点はいいかなとか思っていました。 でもヨーロッパでは35度を超える日々が 続いているようでやはり温暖化なのでしょうか。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」4

その日も、いつものように朝のオフィスで、調査会社に勤める剛は、熱いコーヒーに口をつけ、デスクの書類に目を通す。そうしながら、どこか今のこの自分が現実とは徐々にかけ離れていくような印象が拭えない。1枚1枚書類をめくっていると、呼び出しのブザーが短く鋭く鳴る。 「Yes?」 「Takeshi, could you come to my office, now?」 上司のリック・ヌッセンバウムのオフィスに入ると、机には何やら古びた書類の束と、開かれた手紙が一通のっている。上司の顔つきは神妙ではあるが、かといって残虐な事件を扱う時のような、悲痛な表情は見受けられない。どちらかというと、まるで何かの歴史的使命を帯びた時の様な印象を与えていた。剛が部屋へ入ると、上司はゆっくりと顔を上げる。その動作はどこか重々しかった。 「どうしてもやってもらいたい仕事がある」 「どうしてもというのは?」 「名指しだ。あるご夫人から」 「そのご夫人の名前は?」 「今日、面会に来る。ボスを通して仕事が依頼されてきた」 そして ヌッセンバウムはしばらく沈黙する。 「その夫人から、じきじきに、お前なら必ずやってくれると」 「どうして?」 「私にもその点は説明がない」 言いながら彼はじっと剛の目を見据える。 「調べて欲しい事があるそうだ。午後、彼女がここに来るので、直接話を聞いて欲しい」 「わかりました」 その日の午後、剛がガラス越しにニューヨークの変形してしまったビル群の影を眺めていると、内線のブザーが鳴り、ボスの呼び出しがかかる。手にしていたコーヒーカップをゆっくりとデスクに置いた時、一瞬目の前を何かがよぎったかのように眉間に皺を寄せる。長く、規則正しい配置の廊下を歩いていくと、自分の靴音がまるで宿命の鐘の様に床に当たって響く。スローモーションの様に周囲の人々が後ろへ立ち去り、今までの人生が急に現実世界から離脱し、その破片の中から何かを拾い出し、別の人生の再構築を音もなく始めていた。 まるでほんの少しワープしたかのように、気がつくと目の前に指定された、No.1945の扉があった。ゆっくりとドアを開けると、黒い服に身を包んだ背の高くない年配の女性がじっと剛を見つめた。入れ違いに、上司は部屋を出て行った。 「私は」 話し始めた夫人を片手で制して、 「あなたのことはもちろん覚えています」 夫人はそれを聞い...

こんにちは

 今日も何だかはっきりしないお天気で この頃はもう梅雨なのかなとか思っています。 薔薇の季節も終わりましたが 今年は写真を撮りに行くことができて ほっとしました。 皆様、良い1日をお過ごしくださいませ。

ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」3

 洗面台のくすんだ鏡には、髭を剃る前の疲れたような表情が映っている。眠ったはずなのに、このところうなされて時々朝ベッドから出られない。 「こんなことじゃ、、」 銀色の蛇口から勢いよく水を出すと、冷たい飛沫が心地よく両手に叩きつけられる。顔を洗い、髭を剃り、シャツを身につけ、そしてネクタイを緩く締める。そうしながら、神経が軽く泡立っているのを押さえることができない。強いはずの自分の内側に眠っている、どこか何かに時折怯えるようなそぶりを見せる、その感じが剛を苛立たせていた。それを無視すればする程、そうされることに頑強に抵抗する何者かが内側に存在した。まるでその何者かは、その手に何かを断罪するための剣を握っているかの様だった。それが強く感じられる時、しかし恐怖はよりいっそう強いものになる。その一端に、剛の5歳の時の記憶はリンクしていた。 当時レストランでパートをしていた日本人の若い母親と一緒に、やがて冬になろうという寒い夜に路上に彼は放り出された。その時の母親の恋人らしき男は、その母親、あゆみの腹を思いっきり蹴り上げた。 激しく降る雨がコンクリートに叩きつけられ、濡れた路面には毒々しいネオンがまるで黒い蝶の羽の鱗粉の様に、ギラギラサラサラと光っていた。あゆみとまだ幼い剛は乱暴にドアの外へ押し出され、女の背中にはバッグが投げつけられた。 泣き崩れる母親の体の下で、少年は涙ひとつ見せなかった。その目は暗く光っていた。 「生きてやる、生きて、、」 そう、その言葉を胸に深く刻みつけ、以来、剛は青年になる時まで、幼さの中にいつもどこか冷静さを隠し続けてきた。 ただ近頃の夢の繰り返しは、あまりにも頻度が高く、それが、彼の中に眠っている何かを引きずり出そうとしていた。

こんにちは

 今日はいいお天気なので気持ちがいいです。 今週末は用事が入ったため、連載を本日掲載いたします。 皆様良い1日をお過ごしくださいませ。