ろまんくらぶ「仮面の天使」10
その時以来、茉莉は健と亜紀の関係を疑いだす。全ての健の何気なさが、まるでわざとらしい嘘のように思えてくる。茉莉は、そのことを友人に話せばいいのに、誰にも言わずに胸の中に溜め込んでいた。家族は彼女の食欲がなくなってくるので心配し始める。健とは上手くいっているはずだし、何が原因だろうかと周囲はいぶかる。 茉莉は、健と亜紀を観察する内に、亜紀が彼の電話番号やメールアドレスはもちろんのこと、住所や趣味や食事の好みなどもよく知っていることに気がつく。 「じゃ、もしかして、彼が私を送った後にでも、会っているのかもしれない。彼はたいてい自分を遅くとも10時くらいまでには家へ送る。その後、待ち合わせをしてどこかのバーででも飲んでいるのかもしれない。その後で、もしかして、、」 そんな考えが茉莉の心を掻き乱す。 健はだんだん茉莉が少しずつ痩せてくるので、さすがにどうしたんだろうと思い始める。どこか体の具合でも悪いのではないかと考える。それを彼は何気なく自身の親に話し、それが茉莉の親に伝わる。周囲は茉莉がどうも何かに悩んでいるのを理解する。その内に彼女は健からの誘いを何回か気分が悪いと言って断るようになる。 さすがに健はだんだんと不安になってくる。一体茉莉はどうしてしまったんだろうか。