ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」87
その晩の夜中、仕掛けられた罠に落ちプライドを打ち砕かれ、報道を受け、店をも失ったと悟った周防瑠璃。彼女は高層マンションのヘリポートから飛び降りる。白いドレスに包まれたその姿は漆黒の闇の中で舞う蝶の様だった。瑠璃はそして不覚にも滝沢を愛してしまっていた。 娘の自殺を受けると、周防夫人はただただ居間のソファで数時間座り、沈黙し続けた。長い夜が深くなっていく。彼女が守ってきたものが崩壊する。こんなはずはない。「私たちは聖域の住人なのだから」と「守られて然るべきなのだ」と。 凍りついた表情。いったい何がいけなかったのか。バリケードは壊された。それも周防家の長い歴史の中に侵入してきた一見紳士のような人物に。現場にいなかった周防夫人は「彼はまるで獰猛な獣のような鋭い目つき」をしていたと報告を受けた。連絡を受けた彼女は屋敷から一歩も出なかった。続いて知らされた瑠璃の事件。 この世には神はいないのか。神?周防家の神は邪神なのであろうか。それとも呪いの楔が効力を発揮し始めたのか。 どうしたらいいのか。跡取りである瑠璃と店と同時に失った。ソファに座りながら両手をきつく握りしめる。怒りを覚えながらも同時に天からの懲罰を恐れている。引き時なのか。