ろまんくらぶ「仮面の天使」23
でも茉莉は家へ戻ると結構ワーワーと大声で泣く。強がっていても涙が勝手に出てくる。彼女はほとんど毎晩泣き続ける。夜の内に泣けるだけ泣いて、昼には大学の研究室に閉じこもっていた。 そのうちに彼女は、かなり年配の大学教授と付き合い始める。彼は以前から彼女をとても気に入っていた。教授と付き合うことになった翌日、彼女は腰まであった長く美しい髪を バッサリと切り落とす。やっと肩に届く位まで短くした。その頃くらいから彼女は感覚が徐々におかしくなっていく。 健は、茉莉に会うこともなくなったので、何も知らなかった。亜紀と上手くいっていると思い込んでいた。一方で、茉莉に対する気持ちが再び燻り始める。彼は自分自身で茉莉を2度も遠ざけたのに、彼女が彼から完全に離れようとしているのを意識すると今度は落ち着かなくなってくる。 彼はまた亜紀と仕事で遅くまでスタジオに残る。彼がちょっと外へ飲み物を買いに出た時、亜紀はスタジオの中から友人に電話する。 「え〜?上手くいったよ。ほんと、ばっかみたい」 亜紀は上機嫌だった。