ろまんくらぶ「仮面の天使」22
帰りがけに彼女は
「もうしばらく1年くらい嘘を吐いてくれ」
と告げる。
健は躊躇いがちに尋ねる。
「ひとり暮らししてるの?」
「うん。先月から。家には顔を出しているけれど。ずっと一緒だと煩わしいから」
「あの、、」
「うん?あ、そのうちに、彼氏でも作るから。そしたら、いいんでしょ?それから私はっきり両親に言うから」
「え?」
茉莉のその言葉に健は自分の中で燻り出すものを感じる。彼氏作るって、、。
「じゃね」
彼女は行こうとする。彼は彼女の腕を思わず掴む。彼女はその腕を外すと、足早に行ってしまう。
その内に、茉莉は車の免許も取った。母親に似てのんびりしていたはずの娘が、だんだんと父親の性格も見せ始める。2度の婚約破棄。2度も振られたことで、彼女はなかばやけになってきていた。顔は相変わらず童顔で微笑んでいたものの、心の中では荒れ狂っていた。
健は彼女の腕を振り払われて、少し驚くと同時に、彼女の言葉が気になりだす。
「他の彼氏、、」
おまけに茉莉は家を出てしまっていた。これからは彼女を見ている人間は側に居なくなる。
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