ろまんくらぶ「仮面の天使」71
真二が帰ってしまったので、茉莉と健は2人っきりになる。しばらく互いにソファの両端に腰掛けながら、黙ってテレビを見ていた。 この沈黙は痛い。 健はお湯を入れにバスルームに向かう。しばらくすると「お湯が入りました」の音声が聞こえ、茉莉に先に入るよう促す。 「よかったら先に」 話しかけられて彼女は無言でソファから離れ、バスルームへ向かう。沈黙が続き健にはそれがこたえる。茉莉はもちろんまだ怒っているのが伝わってくる。彼は大きくため息を吐く。 お風呂から出ると彼女は自分の部屋へ行き、ルームウェアに着替えるとまたソファに座る。ずっと無言でチャンネルをくるくると変える。健はバスルームへ向かうが彼女の様子が気になって仕方ない。そんな彼の調子を彼女はちょっと馬鹿にする。 彼がお風呂から出てくると彼女はもうソファには座っていない。寝室にもいない。彼女の部屋へ行くと、ドアはぴったりと閉じられていて、どうやら家具でドアが開かないように押さえてあるらしかった。彼は話すのを諦めて居間へ行くとソファに腰掛け、テレビのチャンネルをニュースに合わせる。 紛争の幕は開いたばかりなのかも知れなかった。