ろまんくらぶ「仮面の天使」70

健と真二が片付けている間に、茉莉は居間のソファーでゴロゴロしながらテレビを眺めている。健と真二は時々振り向きながら、彼女の様子をチラチラ見ている。以前とは違って、あんまり恥ずかしがらずにリラックスしているのがわかる。

片付けが終わると真二は健に耳打ちする。

「万一の時はこの薬渡して飲んでもらって」

真二は安定剤を健に渡しておく。それから万一の時は夜中でもすぐに連絡入れるように健に言付けてから真二は家へ戻る。

「じゃ、ねーちゃん、俺、帰るから」

茉莉は玄関まで弟を見送る。

「ありがと、じゃ」

健も玄関まで来る。

「じゃあ、ホント世話になったね」

「いいって。じゃあ、おやすみ」

「おやすみなさい」

茉莉も穏やかに返事をする。

「おやすみ」

健は少し不安そうだった。


真二が行ってしまうと茉莉は心細そうにしている。健はそっと彼女の側から離れる。あまり彼女を刺激しないように気をつける。先週、彼女が暴れて、窓ガラスが壊れるかと思ったため、また暴れて怪我でもされたらと内心ヒヤヒヤしている。

茉莉は健が少しびくびくしているのが解るので、内心「ばっかじゃない」と思っていた。

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