ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」29
それもオーナーが不在の時に漏らす不満から想像するに、かなり安い賃金で働いているらしかった。彼等の様子を観察していると残業代も出ないと愚痴をこぼしている。 営業マンと言えば、かなりの数がいる割には、どうも碌に仕事をしていないらしかった。同じ人物が昼を除いていつも同じ場所にいる。要するに両手を前で組み、売り子さんよろしく作品の見張り番をしているだけで、全く何もしていない。これでは売上が落ちるはずだと、剛は苦笑いした。周防家の書斎から頻繁に聞こえる売上下降の不満の声は、こういうことがどうやら原因らしかった。要するにバブルがはじけた日本で、さらにアメリカでも、働かないで遊んでいれば当然のごとくに、何も売れはしないだろう。そんなことさえ、結局は保護されている特権階級の連中には理解できないことなのだろう。さらに深刻なのは、時々営業マンの口から漏れる、 「どうせ働いたっていつ首になるかわかんないからなあ」 という、本気とも冗談ともとれる愚痴だった。どうやら会社の状況は斜陽なようだった。「斜陽」、そうこの華やかな崩れた一族には、この言葉が一番似つかわしい。陽が翳るように、輝きが消え去り、汚点を見たくないのか、毎日毎晩のように酒に溺れているらしい。 逃げるように、、。