ろまんくらぶ「仮面の天使」6
双方の家族が集まり、茉莉の実家でちょっとしたパーティーを開くことになる。健は「俺が行く」とひとりで彼女を成田まで迎えに行く。周囲は2人の邪魔をしないようにと何かと気遣う。 彼の車が見えると彼女は大きく手を振る。お土産を両手に持ちちょこちょこと歩いてくる。少し疲れているけれど、花柄のワンピースに三つ編みは可愛かった。彼女のスーツケースを受け取る手に力が籠り、本当は抱きしめたいのを彼は我慢した。茉莉も抱きつきたいと思っていたが、恥ずかしそうに、ただ微笑んでいた。2人は荷物をトランクに入れ、すぐに成田を出発する。助手席で彼女はこっくりこっくりしている。そんな茉莉を見て健は「俺に甘えちゃって」と、まだちょっと妹みたいだと感じる。 ふと彼は初めて彼女が自分の家へ来た時のことを思い出す。彼は小学生で彼女はまだ生まれたばかりだった。その時は、妹ができたみたいで嬉しかった。「妹」じゃなくなった彼女を、「俺は守れるのかな」と彼は少し不安になる。でも彼は、例の女性、近付いて来る亜紀の邪心には、全く気付いていなかった。 自然の成り行きで、茉莉と健は正式に結納を交わす。 ただ亜紀は、2人の邪魔をしようと、じっくり機会をうかがっていた。