ろまんくらぶ「仮面の天使」78

授業が終わると茉莉は仲間と一緒に学食の横のカフェに移動する。相変わらず派手な服装の彼女は何だか目立つのか、男子学生がチラチラと視線を送ってくる。席を確保すると彼女達は飲み物を取りに行く。

「何にしよっかな」

「えっとわたしカフェオレ」

「じゃわたしは今日はブラック」

「茉莉がブラックなんてめずらしい」

「何となく甘い気分じゃないの」

「え〜、やっぱ何かあったんでしょ」

「秘密だもん」

「ずる〜い、聞かせてよ」

「だあめ。また今度ね」

「けちっ」

お会計を済ませると彼女達は席につき、コーヒーのいい香りにほっとする。

「でさ、クラブ、どこにすんの?」

「六本木は?」

「ええ〜、渋谷がいいよ」

「渋谷のどこにすんの?」

「ホラ、ちょっと大人めなあそこは?」

「ああ、例のとこね。茉莉、前から行ってみたいって言ってたもんね」

「そこカッコいいの?」

「みたい。紫と黒のインテリアがシックだって」

「じゃ、そこね」

こうしてはたで聞いていると3人がごちゃごちゃ話していて、何となく誰が何を話しているのかよくわからない印象を受ける。側を通るとちょっと香水のいい匂いがする。


茉莉達のそんな会話はもちろん健の心には届かない。彼は今夜早く帰ろうと少しだけにやけていたりする。 

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