ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」85

剛の怒りの滲んだ鋭い視線に男はみじろぎもできず、その場に氷像の如く立ち尽くす。説明しようにも喉がカラカラに乾き、上手く言葉が出てこない。目の前の、先日まではただの上客だったこの若い男性は男の前に立ち塞がる。先ほどの銃は一体どこから入手したのだろう。掌に冷や汗をかきながら過去の亡霊が見え隠れするのを止めることができない。

そうだ。確かに戦後に「あの作品」を勤め始めた美術商で見つけたのは自身だ。作品の来歴が不自然に加工されていることに気づき、当時の社長に報告した。その時の、まだ現在の社長が専務だった時のことがはっきりと蘇ってくる。彼と社長と、そして将来の後継者である現在の社長と三人で内密に相談した。その時の社長の表情が凍りついていたのをよく覚えている。戦中の亡霊。作品には二つ名がついていた。

「どこにあるんだ?」

問い詰められても上手く答えることができない。作品の行方は現在の周防社長のみが知っている。口ごもる彼。

銃口が再度、今度は彼の額に押し当てられる。

「殺したのは誰だ」

「だ、誰って、誰を」

「俺の父親を」

全てのピースが一つの絵画を描き出す。不連続だった過去が次々と繋がっていく。

「篠田、、、藤木。心当たりがあるだろう?」

男は蒼白になる。

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