ろまんくらぶ「仮面の天使」8

 「まさか」と思うものの、茉莉には疑惑が生じてくる。彼女はまじまじと亜紀を見る。亜紀は健にわからないように、わざと嘲るように茉莉を見返す。茉莉は研究室の女性と同じ目つきだと、かっての婚約者が彼女を裏切った時と現在が重なる。茉莉は健と亜紀の仲を完全に誤解する。2人が関係があるのではないかと疑い始める。茉莉は、彼女自身がトロくて気づかないことが多いのは、もう承知していたので、逆に必要以上に気になってくる。もっとよく健を見ていればわかることも、見えなくなってくる。茉莉は健の気持ちを疑い始める。彼が女性の扱いに慣れているので、かってのあの婚約者以上に彼女を馬鹿にしているのではないかと茉莉は意識する。

亜紀は、茉莉の表情から作戦が成功したのを察すると、お茶を飲み、さっさと帰り支度をする。

「お先に失礼します」

「お疲れさま」

亜紀に向かって一旦振り向いたものの、健はすぐにパソコンの画面に向かう。

茉莉は「お疲れさま」と口では言うものの、目は笑っていなかった。その彼女に向かって亜紀は馬鹿にするような薄笑いを浮かべる。茉莉は、ありもしないことを確信するとその場に凍りつく。

「また?また、、、同じこと?」

彼女は黙り込む。健は茉莉の変化に全く気づかなかった。

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