ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」1

 「この冬のホームレスは現在のところ13人ほどです。彼等は温められた酒で寒さを凌ぎ、テント生活をしています。しかし、マイナス10度、20度になると凍死がちらつきます。ホームレスを支援する活動が年末年始行われています。ボランティアは食材を配り、未払いの賃金を確保させる知恵をホームレスに授けます。ただ年末年始のこうした援助も5日には終わり、あとはただどうやって飢えをしのぐのかが彼等の心配事となります。彼等が寝ている地下鉄の駅では、終電が出るとシャッターを下ろし、彼等は行き場を失います。例えば公共の公園では彼等が入らないように、柵を設けています。また地下の通路では彼等が寝ることができないようにオブジェを作り、場所を塞いでいます。政府は、彼等に対する何らの政策も現在のところ持ってはおりません。終戦後、アメリカが日本にその衛生状態を調査に来て以来、日本が再びこの問題に襲われる時代が来るとは想像もしていませんでした」

テレビでは冬になると連日のように出口のない経済状況が報道され、また身寄りのない高齢者が寒さに震えながら、こたつで体を温め、その後、餓死した姿で発見されるという、これが日本の現実だった。目を背けようとしても、季節が厳しくなればいやでもニュースとして耳にする。

世相は荒れ、年末にはスリや強盗が相次いだ。容赦ないサバイバルゲームの中、国民は疲れ切っていた。

コメント

このブログの人気の投稿

ろまんくらぶ「仮面の天使」81

ろまんくらぶ「仮面の天使」78

ろまんくらぶ「仮面の天使」83