だいぶ状況がわかってきて リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 2月 18, 2022 アクセスも確認できるようになりました。今日もツイッターにアドレスを表示してみたいと思います。小説の発表の場としてブログは重要ですので慎重になっています。グーグルさんのブログは様々なオプションもあるようですがそれなりに複雑なので勉強が必要なのかもです。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
ろまんくらぶ「仮面の天使」81 12月 03, 2025 コンコンっと茉莉はドアをノックする。 「どうぞ」 教授の声がする。不用心にも彼は即答してしまった。まさか彼女が部屋に来るとは思っていなかった。 「やっほー」 彼女は悪びれずにすたすたと入室する。さすがにドアを閉め、ちょっとだけ教授の様子をうかがう。 「誰もいないよね」 思いがけず彼女が来たことで彼は激しく動揺する。彼女にはもう2度と会ってはいけないと思っていたから、メールにも返信はしなかった。 「ねえねえ、どうして返事くれなかったの?」 彼女に問い詰められると彼は答えに窮する。 「いや、その、ちょっと調子が悪くて」 「だと思った。だから来ちゃった。具合でも悪いのかなって」 健と真二が教授に茉莉と会わないように頼みに来ていたことをどうやら彼女は知らないらしい。 「ねえねえ」 彼女のねえねえに彼はたじろぐ。また何かどこかへ連れて行けとかそういうことだろう。 「ねえねえ、今度フランス料理行こうよ」 ホラ来た。もう2人でどこかへ行ってはいけないと彼女にどうやって説明したらいいのだろう。健くんとやらが本命の彼なのだろう。引き際を考えないとならないと教授は思う。ぼんやりしていると茉莉がはっぱをかける。 「どうしたの?ぼんやりしちゃって。具合ってどこが悪いの?」 「いや、そのあちこち色々」 「あんまり無理しないでね。研究もほどほどに」 優しい言葉をかけられると彼の決心は揺らいでくる。 「じゃ、明日はどう?今夜はちょっと他に用事あるから」 可愛い彼女にねだられると彼は嫌とは言えない。 「分かった。明日だね」 「どこ行くの?」 「そうだなあ。恵比寿あたりでも」 「嬉しいな。美味しいとこ連れて行ってね」 その食事の後にでもちゃんと話さないとと彼は思う。 楠えりか
ろまんくらぶ「仮面の天使」78 11月 12, 2025 授業が終わると茉莉は仲間と一緒に学食の横のカフェに移動する。相変わらず派手な服装の彼女は何だか目立つのか、男子学生がチラチラと視線を送ってくる。席を確保すると彼女達は飲み物を取りに行く。 「何にしよっかな」 「えっとわたしカフェオレ」 「じゃわたしは今日はブラック」 「茉莉がブラックなんてめずらしい」 「何となく甘い気分じゃないの」 「え〜、やっぱ何かあったんでしょ」 「秘密だもん」 「ずる〜い、聞かせてよ」 「だあめ。また今度ね」 「けちっ」 お会計を済ませると彼女達は席につき、コーヒーのいい香りにほっとする。 「でさ、クラブ、どこにすんの?」 「六本木は?」 「ええ〜、渋谷がいいよ」 「渋谷のどこにすんの?」 「ホラ、ちょっと大人めなあそこは?」 「ああ、例のとこね。茉莉、前から行ってみたいって言ってたもんね」 「そこカッコいいの?」 「みたい。紫と黒のインテリアがシックだって」 「じゃ、そこね」 こうしてはたで聞いていると3人がごちゃごちゃ話していて、何となく誰が何を話しているのかよくわからない印象を受ける。側を通るとちょっと香水のいい匂いがする。 茉莉達のそんな会話はもちろん健の心には届かない。彼は今夜早く帰ろうと少しだけにやけていたりする。 楠えりか
ろまんくらぶ「仮面の天使」83 12月 17, 2025 ランチを済ませてからの午後の授業は眠いものだった。それでも茉莉は必死になって授業を聞いていた。せめて成績だけでもどうにかしないと、恋愛がうまくいっていないので、悲しすぎると感じていた。明日は教授と食事だけれど、世の中の風潮だとそれもおおっぴらにはできなかった。何だかそんな関係も彼女にとっては窮屈な面もあった。それにしても教授のことをどう思っているのかと彼女は自問自答する。 午後一番の授業が終わると次の授業は休講だったので、茉莉は大学のカフェにまた立ち寄る。窓際の静かな席でひとり、読書に専念しようと思っていた。それにしてもカフェは賑やかで、学生達が無邪気に笑い声をあげていた。独り茉莉は変わってしまった自分を寂しく感じていた。あんなに何も考えずに笑えたら幸せだと、以前の自分はそうだったと思う。今はややこしい恋愛関係に手を染め、自分を傷つけた相手に近くに来られて、どうしたらいいのかわからなかった。 そんな茉莉の悩みを健はどうやって解決して、また彼女の気持ちをほぐしていくのか。彼女の方が愛情問題で先へ進んでしまったことに彼は気づいていなかった。 午後の柔らかな光が茉莉の背中を温めると、彼女はうとうととし始める。本を開いたまま、いつの間にかカフェのテーブルで眠ってしまった。彼女の後ろにはまだ天使がいるようで、仮面の下の純粋な彼女を見守っているようだった。 「茉莉、、、茉莉」 呼ばれて彼女ははっと目を覚ます。 「あ、私、、、今何時?」 「もう5時だよ」 「2時間も寝ちゃった」 「渋谷行く?」 「だね。まずご飯」 「お腹空いたね」 ふたりがおしゃべりしていると、もうひとりがやってくる。 「まったあ?」 「大丈夫。今来たとこ。茉莉ったら寝ちゃってた」 「何だかうとうとしてた」 「じゃ、いこ」 3人は連れ立ってカフェを出ていく。暮れかかった光が彼女達に夜の匂いを運んでくる。 楠えりか
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