ろまんくらぶ「仮面の天使」66

茉莉は退院すると真二の車で病院を出る。車は実家へも恵比寿のマンションへも行かない。彼女は心の中で嫌な予感がする。これはもしかしてと思うとその通り車は健のマンションへ向かう。彼女は車の中で黙って座っていたが、いずれ逃げ出そうと思っていた。心の中ではバーカと悪態をついていた。親は彼女が病院でおとなしかったので、そんなこととはつゆほども思わなかった。

健のマンションへ着くと、茉莉は彼女の荷物が全てそこにあるのに気づく。真二はお茶を淹れに行く。

「いいわね。健さんにあなたを預けたから」

「えっ?」

茉莉は心の中で何ソレと感じた。

「下手なことしないでよ」

母親は注意する。茉莉は沈黙している。母は茉莉に言い含めるようにするが、茉莉はうんともすんとも言わない。母は少し心配になる。分かったとかはいという素直な返事は聞こえておない。大変になるのは健さんね、と思うと親達はため息を吐く。

「分かった?」

「、、、うん、、」

茉莉は渋々返事をする。

「じゃあ、私達は帰るから。真二はしばらく相手してて」

「いいよ、俺、今日は暇だから」

両親はお茶を飲むと真二と茉莉を残して早々と帰る。


茉莉は真二をジロリと睨む。真二は太々しく冷静に知らんぷりをしている。

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