ろまんくらぶ「仮面の天使」60

 茉莉が病室に入ると母親が待っていた。彼女は茉莉を黙って見つめる。

「ごめんなさい、わたし」

「もういいから休みなさい」

「ねえ、私の症状って大変なの?」

「大変って、、」

真二が嘘を吐いたのかと母は思う。看護師が入ってくると検査の日程表と薬を置いていく。続いて真二が入って来ると母親を病室の外へ呼ぶ。

「これから教授に会って、詳しく事情を聞いて来るから」

「お前、そんなことして大学で睨まれないの?」

「いんや。昨日教授に電話したら、話したいことがあるからぜひ来てくれって。いつこっちから連絡があるのか待っていたんだって」

「え?」

「だから行って来るから心配しないでよ」

「分かったわ」

真二は健の待っている車へと向かう。母親は真二の後ろ姿を見送って彼が随分しっかりしてきたと安心する。

それにつけても心配なのは娘の茉莉のことだった。

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