ろまんくらぶ「仮面の天使」47
茉莉はだるそうに助手席に乗り込む。シートベルトをするのも面倒くさそうで、以前の彼女とはまるで人が変わってしまったようだった。健は両方のドアをしっかりとロックする。
「あのシートベルトを」
「いーよお、どーせいつか死ぬンだし」
「でも」
「うるさいなあ、バーカ」
さっきからの茉莉の言葉使いに健はかなりショックを受けていた。彼女は渋々シートベルトをしめる。彼はやっと車を出すと、ここから一刻も早く離れようとする。とにかく彼女をこの状況から引き摺り出さないと、彼女は確実に堕ちていく。
彼はしかし、その教授の借りた家へ行くわけにはいかない。彼女の家へは今は入れない。
「でも、おかしいなあ、、、教授、出張じゃなかったっけ?」
言われて健はぎくりとする。
「だから、急に倒れられて」
例の教授に対して敬語を使ったのを健は苦々しく思う。
「そーう?」
それから茉莉はふっつりと口をきかなくなる。健はほっとする。その内に見ると彼女は横で眠っている。睡眠不足なのか、遊びのせいなのか、あんなに綺麗だった肌も荒れて、厚化粧が彼女の傷口を隠すように、マスクのように彼女の顔を覆っている。
とにかく彼は今の内に、とりあえず、自分の家へ彼女を運ぼうと考える。とにかく彼女が目を覚さない内に、、。
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