ろまんくらぶ「仮面の天使」38

健は次の日、朝早くマンションへ戻ると、シャワーを浴びて着替えを済ませ、すぐスタジオへ向かう。途中ファストフード店で軽食をとり、とにかく今やっている仕事をしないといけないとスタジオへ閉じこもる。それにとにかく茉莉と話をしないとならない。茉莉のスマホへ、ほとんど週に2〜3回は連絡する。彼女はいつも不在で、すぐに留守電になるからメッセージを吹き込むしかない。彼女から返事が来ることはなく全く応じる気配もない。

茉莉は婚約を解消した時を境に荒れまくる。あまり飲めないお酒を潰れるまで週末に飲むようになる。付き合い始めた教授以外の男性とも関係を結ぼうとする。その内に安定剤が必要になり気分が定まらなくなる。どうせあの茉莉はもういないと、自分で過去の自己像を壊すように、いくところまでいってやれとメチャクチャやり出す。

彼は何遍も彼女に電話するが、相変わらず留守電になっている。たまにどうやら間違って電話に出掛かって、健と分かるとすぐに切る。彼は何か言うことも出来ない。

姉の噂が流れ始めて、弟の真二は狼狽える。真二の立場に今のところ影響はなかったが、流石に恥ずかしくなってくる。他の教授は彼女と付き合っている教授を揶揄して

「井上君にも困ったもんだね。君のお姉さんに手を出して」

とか

「君はお姉さんと違って大人しいねえ」

などと言われたりする。

真二はとにかく姉が心配になってくる。なんでこんなことになったのか、一体健との間に何があって、いつからあの2人の関係がおかしくなったのか、見当もつかない。真二は、あの大人しい姉が大学で噂になる程の悪女に豹変したのを知る。彼はその内に、他の学生から、

「お前の姉ちゃん、結構ヤバいことしてるってさ」

と聞かされる。

コメント

このブログの人気の投稿

ろまんくらぶ「仮面の天使」81

ろまんくらぶ「仮面の天使」78

ろまんくらぶ「仮面の天使」83