ろまんくらぶ「仮面の天使」13

道すがら茉莉は法子に悩みを打ち明ける。聞きながら友人は諭すように話し始める。

「茉莉は昔のことと混同してないかな?もっとよく確かめた方がいいよ」

「そうなのかな、、」

「多分、その亜紀って人がその気があるのは、もう間違いないと思うけど、健さんはそうなのかなあ」

法子の冷静なアドバイスに茉莉の気持ちは少しずつ落ち着いてくる。

「もしかして、茉莉ってのんびりしているから、ひょっとするとひょっとして、その亜紀って人に、ほら、はめられたとか」

「まさか、そんな。でも、でも彼は私を子供だと思っていて、何を言っても信じてもらえない」

「男って、そういうトコちょっとわかってないというか詰めが甘いというか」

法子はため息を吐く。


その朝、健は茉莉に電話するが、彼女の母親に旅行に出たと告げられる。

「健さん、お仕事だって言ってたわ」

どうも茉莉は親に嘘をついているので彼は言い淀む。余計な詮索をされたくなかったので、喧嘩のことは伏せて嘘の説明をする。

「いや、あの急にキャンセルになって、、、で、泊まってる場所を知りたいのですが、できたら連絡先も」

「えっと、ちょっと待っててね。確か、ホテルの番号メモしてあるから」

「お願いします」

健は、茉莉が彼の言葉をそのまままに受けて怒っているらしいのを感じているため、彼女のスマホに連絡しずらい。

「はい、えっと番号は」

「あの、彼女ひとりなのでしょうか」

「いえ、高校生時代の同級生と一緒で、もちろん女性ですけど」

「わかりました。すみません」

とりあえず、健はもらった番号に電話をかけてみる。

「お電話ありがとうございます。ガーデンホテルでございます」

「あの、宿泊している菅原茉莉さんをお願いしたいのですが」

「かしこまりました。少々お待ちください、、。あいにく、ただいま、外出されてるようですが、メッセージをお残しになりますか?」

「はい。お願いします。私、藤原と申します。戻ったら連絡が欲しいと伝えてください」

「かしこまりました。藤原様ですね」

説明しながら、健はがっかりして少し苛立つ。こういう時に待っているのはあまり得意ではなかった。

その夜、茉莉と法子は観光を終えてから夕食前に戻ってくる。メッセージの事を知ると、法子の後押しもあって茉莉は電話をかけてみる。すぐに留守電になってしまい、茉莉はメッセージを残す気になれなかった。本当を言えば、今考えたくなかったし、まだ頭を冷やしていたかった。

1日中、茉莉からの電話を待っていた健は、かかってこないのに業をにやして、近所に買い物に出かける。なんとなく腹が立ってきて、もとはといえば茉莉が悪いと、この時健はそう思っていた。

そんな時、亜紀から電話がかかってくる。

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