ろまんくらぶ「仮面の天使」11
茉莉は健に何も聞かずに苦しむ。彼女はだんだんと彼に対してイライラした様子を見せ始める。どうしたんだろうと、まるで身に覚えがないので、健もだんだんと腹が立ってくる。この頃の茉莉はどうもあたりがきつい。
そんな状態がひと月も続いただろうか。
「俺と一緒にいるのが嫌なのか?」
彼はつい彼女にきついことを言ってしまった。彼女は落ち込みがひどくなってきていて、彼の言葉に強いショックを受ける。そんな彼女に
「わけを話してくれ」
と彼は詰め寄る。
「君のその態度は俺には全く理解できない」
と少し突き放すような言い方になる。
最初、黙っていた茉莉は少しずつ話し始める。スタジオで見たことを説明すれば良かったのに、混乱して上手く言葉が出てこない。イライラしてくる健に、亜紀さんとのことを疑っていると話すと、彼はやれやれという呆れた態度を示す。
「何言ってんの?馬鹿馬鹿しい。君ってそんなことにまで焼くの?彼女とは仕事上の付き合いで、何もないのに」
何もわかっていない健は、茉莉は単なる子供じゃあないかと、まるで年下のわがまま娘を扱うような言い方をする。
「あのね〜、そんなことで、こんなになられても、困るんだよ。仕事は仕事。君は君でしょ。もうちょっと大人になってよ、頼むから」
その言葉を茉莉はなかば侮辱と受け取る。じゃあ、あの女の、あのにやにや笑いは何なのよ、と思うが、それを上手く説明できない。
「彼女、あなたの家に来たことあるの?」
「え〜?あるよ。そりゃ。俺、スタッフ呼んで宴会するし、書類とか届けに来ることもあるよ。そんなこと気にされても困るよ、俺は」
健は茉莉に対して、まるで焼きもちやきの子供に言い聞かせるような口調になる。彼は、でも逆に、この時まだ自分というものをよく理解できてはいなかった。茉莉はますます怒りがたまってくる。でも、これ以上、子供だと思われたくないので、黙っている。表面を取り繕う。
その日以来、健はまた焼かれたら困るので、茉莉をあまりスタジオに呼ばなくなる。彼女に対して相変わらず優しかったが、どうにも扱いかねるという態度をする時もあった。茉莉はそれがだんだん我慢できなくなってくる。
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