ろまんくらぶ「仮面の天使」12
たまりかねた茉莉は、ある日、約束をすっぽかす。さすがに健は怒り出す。本当はそんな気はなかったのに勢いで電話する。
「婚約解消する!?」
口をついて出た健の言葉に、茉莉も今までの不満から勢い返事をする。
「そうしよっか」
言い終わると彼女は派手に電話を切る。彼女はさすがに腹が立っていた。乱暴な言葉を繰り出す。
「どいつも、こいつも、ふざけんな!」
その日の晩はでも、家族と食事をしながら、茉莉は平静を装っていた。表面を取り繕いながらも、もう、わたしダメだ、と実際は投げやりな気分だった。なかばやけくそで食事をぱくついていたので、それを見て家族は、やれやれ元気が出たかと勘違いする。
電話を切った後、健は茉莉がかなり腹を立てていた事を心配した。でも彼女は子供だから、その内に機嫌も直るだろうと思っていた。約束をすっぽかされた健は、急に暇になったので、亜紀や他のスタッフに連絡して外で騒ぐことにした。
その夜、茉莉は親友の法子に悩みを打ち明ける。
「どっか行く?」
誘われてふたりで週末ちょっとした旅に出ることにする。出かける事を茉莉は母に話す。
「あら、健さんとの約束は?」
「うん。何か仕事が入ったんだって。それに、いつもいつも彼とだけっていうのもね」
「まあ、そうね」
いつも健にべったりな娘の言葉に母親は不思議そうな表情を浮かべる。
「少し機運転換したいの」
念押しのように茉莉は言葉を続ける。
次の朝早く、茉莉は法子と旅行に出かける。そう遠くはない山間部へ向かう。
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