ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」76
瑠璃はブランド物のピンクのスーツに身を包み、宝石の散りばめられた作品を数点滝沢のオフィスに持参した。
「本日はご足労いただきありがとうございます。本来ならお店におうかがいするのですが」
「いえ、大切な滝沢様のお目にとまったと言うことなので、特別に」
言いながら彼女は流し目を送る。口調は滑らかで声は艶やかだった。こんな感じで顧客を手玉に取ることには慣れっこになっているといったところだろうか。
「コーヒーでもいかがですか?」
「ええ」
身体が沈み込むようなソファに腰掛けながら、瑠璃は作品をガラス張りのテーブルの上に丁寧に置き、包みを解く。コーヒーが運ばれてきて、事務員が応接室を立ち去ると、滝沢はドアを閉める。
「さて」
瑠璃は作品にかかっている覆いをそっと外しながら、同時にテーブルの下で足を組み替える。滝沢は瑠璃の向かいではなく隣に腰掛ける。彼女の身体が一瞬はねる。彼は彼女に身体をピッタリと寄せ、短いスカートから剥き出しになったその太ももを撫で始める。本来ならそこで何らかのリアクションがあるはずだった。彼は指先をスカートの中にわずかに差し込み、それ以上の関係をそれとなく彼女に示唆した。婚約者を亡くしたばかりの滝沢はどことなく崩れて何か残忍な影を持ち合わせ、作品を売ることとは別に、瑠璃のめがねに敵わないと言うわけでもなかった。
「作品はお気に召しまして?」
「ええ。それとここもなぜか気に入りそうで」
滝沢は瑠璃の下着に触れる。そして彼が作品を買うことを暗黙の条件として取引は成立した。
「部屋は押さえてありますよ」
彼は彼女の手を強く握る。
その日の内に彼は作品の代金を入金した。
夜には彼は彼女の肉体を入手した。
滝沢は高価な作品を購入して、十日後、デート商法の記事を週刊誌に掲載させた。
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