ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」75

父親の死の真相と母親から捨てられたということが剛の精神にも混乱を招き、バー通いをして、酔っ払うようになる。酒に浸ることで頭上のぐちゃぐちゃを追い払う。ひりつく精神の中、「俺に一定以上近づかないでくれ」と理沙を遠ざけ始める。

しかし調査は予定通り進められた。彼は夫人と協力して、飛行機の中で滝沢と瑠璃が出会うように工作する。滝沢は瑠璃と同じファーストクラスに乗り、彼女に接触する。予定通り名刺を交換する。滝沢の名刺に刷られていた身分があまりに高いものだったので、もちろんまずそれが瑠璃の気を引くには十分だった。おまけに飛行機の中で通販主流の高級品ばかりを特集した雑誌を広げているところを彼はわざと瑠璃に見せる。あとは全く計画通りだった。ありきたりの差し障りのない会話を二人は機中で交わし、連絡先を交換してから別れた。

帰国後、瑠璃は早速その名刺から滝沢を例のごとく調査し、しばらくしてから彼のところへ店からパーティーの招待状が届いた。名門の店とあればそのパーティーは誰もが入れるというものでもなかった。入れる人物は限られていて、概ねはプライベートで招待状を持たずにはその門は狭くてくぐれなかった。

滝沢は瑠璃と再会し、徐々に親しくなっていった。次の段階へと進むにはそう難しくはなかった。それから彼女に作品を持ってこさせるように画策した。

「じゃあ、明日の午後二時にオフィスに作品を見せに来てください。お話ししましょう」

「承知いたしました」


彼女は少しずつ蜘蛛の巣に近づいていく。 

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