ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」44
「どうして、そうやって逃げる?」
問い詰められて、理沙は一瞬、剛を見つめる。
「あなたは、嘘で塗り固められた世界に生きているような気がする、、。何となくそう思う。あるところ以上には近づいて欲しくないでしょう?」
言いにくいことを彼女ははっきりと告げる。
「どうして、そんな事がわかる?」
言い返す彼の声のトーンが少し上がる。
「勘、、、かな」
彼女は冷静に答える。
「それだけなのか?」
「あと、、、心理学にはちょっと詳しい」
「分析には慣れてるってわけか」
「まあね」
「俺が嘘をついているって、でも、断定できるのか?」
「さあ、、、まあ、決めつけるのも、ね」
「じゃあ、興味があるってわけ?」
言われて、理沙は瑠璃のことを思い出し、話をはぐらかす。
「うーんと、どうでもいいかな。興味ない。本当のことなんて」
「どうでもいい、ね」
彼は苦笑する。
「相手の見えない心を見ようとしてもどうしようもない、、」
理沙は呪文のように呟く。その言葉は何か重要な意味を持っているかのような響きがある。女から「どうでもいい」などと言われたことのないある意味での自信家の彼は、彼の中に眠っている、何かを覆い隠すようにしているもの、そこをこじ開けようとする彼女の言葉にかすかに動揺する。
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