ろまんくらぶ「仮面の天使」99

 気がつくと朝になっていた。茉莉は帰ってこなかった。


窓から差し込む光が眩しく、健の心は憂鬱だった。ため息まじりの日々がまた始まるのだろうと何となく身震いをする。とりあえずシャワーを浴び、ワイシャツに着替えると食事の準備をする。食パン1枚をトースターに入れ、コーヒーを沸かす。チンッと音がしてパンが焼きあがる。

「は〜」

何だか食欲がわかず、サラダを作るのも卵を茹でるのもやめ、テーブルにつく。パンを噛む音がサクッとするけれど、それをもそもそと口の中で砕き、コーヒーで流し込む。お皿とカップを適当に片付けると洗面所へ行き、歯を磨く。鏡に映る顔は寝不足で目の下にクマが少しできている。

「あー!」

何だか叫び出したい気分になると彼は結構じょりじょりと髭を剃る。ネクタイを締め、スーツを身につけると諦めてマンションから出かける。


茉莉達は24時間営業の喫茶店で一眠りすると、それぞれ家へ帰って行く。今日の授業は午後からだったから、茉莉は一旦マンションへ戻る。玄関の鍵はかかっていて、中は静かだった。

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