ろまんくらぶ「仮面の天使」34

茉莉は毅然としていたが心の中で泣いていた。両親にはすまないと思っていたものの、もうあのかつての彼女はどこにもいないと自分で以前の自己像を振り払おうとしていた。

レストランに残された両親は唖然とする。彼等はおぼつかない足取りで店を出るとそのまま帰宅する。あまりに突然のことで何が何だかわからなかった。

今度は健が仕事中で家にはいない時間を見計らって、彼の家の電話の留守電にメッセージを残す。

「あ、私。両親には言ったから。じゃあ、バイバイ」

電話を切ると彼女は床に泣き崩れる。

これで、これであの私はもう死んだんだ。

そう思いながら、以前の茉莉が今の彼女の背後から覆い被さってくる。

「違うよ、、。私、まだ、いるよ、、」

そんなふうに彼女に言っているような気がした。

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