ろまんくらぶ「仮面の天使」29
健の言葉に亜紀は一言も何も言えなかった。
「で?君はどうしたいの?君たちは」
「、、、」
亜紀は修二をじろりと睨む。
「ま、そこに座ってよ、2人とも」
「、、、」
「俺と茉莉は馬鹿だって?」
「、、、」
亜紀はまた修二を睨む。
「コーヒーでも飲む?」
スタジオの隅にあるドリンクコーナーで健は3人分のコーヒーをいれる。
「俺としては話を聞いてから処分を決めるよ。話さなければわかるでしょ、どうなるか。こういうことは仕事の邪魔になるから」
「バレてんなら話すわよ」
一旦こうなると亜紀はまたペラペラと話し出す。いい条件で結婚したかったし、健の持っている将来性のありそうな、ネットテレビの世界で、それなりの地位が欲しかったし、おまけに家もある。だから茉莉を適当に追い払うために挑発したり小細工したり、、、思惑通り、健は茉莉を嫉妬深い女として、子供扱いして遠ざけた。茉莉みたいな箱入り娘はたいしたことはないと亜紀は臆面もなく言い放つ。
聞いていた健は呆れて、こんな女をこの修二とかいう男は愛しているのかとため息を吐く。修二はちょっと恥ずかしいのか下を向いている。
「で?」
亜紀もため息を吐く。
「だから、あんたと関係した朝も、ちゃんとあの茉莉にわかるようにしたのよ。彼女が来てこっち見るまでベランダにいたよ。私、あんたの電話、盗み聞きして、彼女が来るってわかってたから。彼女はだから知ってる。あんたと私が寝たんじゃないかって」
茉莉が一言もそんなことは言わなかったのを健は思い出す。彼女がかすかに震えていたことも。
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