ろまんくらぶ「仮面の天使」18
亜紀がまさか電話を盗み聞きしていたとは健は思わない。とにかく亜紀と茉莉を鉢合わせさせるわけにはいかない。亜紀はわざとのんびりする。健は亜紀に少し気持ちが傾いてきていて、彼女につっけんどんにできないので、わざと「彼にすまない」と言い訳を始める。
早くしないと、茉莉が来る。亜紀はぐずぐずする。亜紀はわざと窓際にいると、茉莉がやって来るのが見えないかとマンションの建物の前の道の両端をじっと観察する。マンションのベランダから見ると、どちらの方角から茉莉が来るのかわかるはずだった。亜紀は、茉莉の姿が見えるまで、そこを動かなかった。健もベランダに出てくるが、まさか亜紀がそんなことに注意しているとは考えなかった。それにだいたい茉莉が来ようが来るまいがどうでもよくなってくる。
そこへ茉莉がやって来る。彼女はベランダを見るともなく見てしまった。一目で亜紀を見つける。
亜紀は目の端で茉莉を認める。
「私、帰るね」
茉莉は遠目に亜紀と健の様子を見つめる。2人は何やら話している。
「うん、ごめん。ほんとに」
「いいって、気にしないで、、。明日は仕事でしょ」
「だね」
健から亜紀の背中を抱くようにするのを茉莉ははっきりと見る。まさか、でも、日曜の昼間だし、、。でも、また今疑ったら、、。そう必死に疑うまいとする。彼女は思わず隠れる。健の亜紀への接し方が気になる。
亜紀に見られたくないので、茉莉はそのまま隠れている。亜紀はマンションから出て来ると、茉莉がいる方角とはわざと反対へ向かう。茉莉は、どうしようと動揺し、逃げ出したくなる。健は怒っているし、彼と亜紀がまさかと思うと、胸が潰れそうに苦しくなる。でも、友人の言葉を思い出す。それと健が言っていたことも思い出す。亜紀は資料を届けに来たりするから、、。茉莉は同じ過ちを繰り返さないようにと自分に言い聞かせ、気を取り直すとマンションへ向かう。
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