ろまんくらぶ「仮面の天使」16

「君はいくつ?」

「え?わたし?23だけど。履歴書読んだんでしょ?」

「まあね。でもあまり俺は年齢とか注意していなかったから」

心の中で健はまた亜紀と茉莉を比べる。2つ3つ違うだけで、こんなにも差があるのかと。


彼は、気分がさらに落ち込んでくると、もっと飲み出す。俺、早まったのか、と思うと何だか自分自身にむかついてくる。こんな、亜紀みたいな理解のある女にすれば良かったと、テキーラをがぶ飲みする。亜紀はやめさせるような素振りをする。

「ちょっと、もうやめたら?」

「うるせー、飲ませろ」

そのうちに健はべろべろになって、気分が悪くなり、トイレへ行って勢いよくリバースする。スッキリしたけれど、だんだん惨めになってくる。よく考えたらいくら親同士が知り合いだからって、婚約したからって、何も結婚しなくてもいいんだと思い始める。

いっそのこと、別れちまおうか、、、あの焼きもち女、、。ちくしょう、俺の気も知らないで、、。

鏡に映った疲れた顔をじっと見つめながら健はつぶやく。

深いため息を吐き、席に戻ると亜紀は優しい。

「大丈夫?車でしょ?こんなに飲んで」

「ん〜、あ〜君、運転できる?」

「できるけれど、もう少し時間おかないと」

「さっきっから全然飲んでないね。もしかして帰りのこと気にして?」

言われて亜紀はちょっとドキッとする。飲んだから事が冷静に運べないから。

「だって、飲めないよ。相方がこんなべろべろじゃ。それこそ、帰り、まずいじゃない?」

「あ〜、そ。じゃあさ、俺んちまで送ってよ。君、もう醒めてるでしょ?」

「え?でも私帰れなくなったらやだよ。まじ」

作戦が成功しそうで亜紀は実のところほくそ笑んでいる。

「いいからさ、車貸すから。ね。明日、取りに行くから」

「え〜?」

「いいじゃん、ね」

「わかったわよ。いいけど、少し待ってから行こう。夜中過ぎてるからどうせ」

「は〜いよ」


健の車に乗ると、酔っている彼の代わりに亜紀は運転する。遅らせながら健は亜紀の香水の匂いに刺激される。そうだ、茉莉はいないし、どうせ避けられている。スマホに連絡しても繋がらない。いちいちホテルにかけなくちゃいけない。それならちょっと亜紀と、、、なんて、やけくそ気味に思っていた。茉莉の焼きもちに健は疲れていた。

一方の茉莉は、夜、何回か健に電話をかけるが出ないので諦める。健からの連絡を避けたくて、旅行に出た最初は、スマホの電源をずっと切ってあったことを後悔し始める。

法子は、明日、早めに戻って、よく確かめるように茉莉に勧める。激しい嫉妬に取り憑かれて、自身を見失っていたことに茉莉は気づき、少し冷静になる。

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