ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」88

周防夫人は目をきつく閉じる。眉間に皺を寄せ、今までの人生、華麗な人生を思い浮かべる。様々な場面が煌めく走馬灯のように蘇っては彼女を過去の栄華に誘い込む。ソファを握りしめる指先に力がこもり、それから力を緩める。彼女は古い電話機に静かに手を伸ばす。覚悟を決めると剛の連絡先をダイヤルする。

「周防です。その」

「わかっています。あなたが隠しているんですね」

「そうです。作品の場所はここです。私のこの家にあります」

「わかりました。渡していただけますか」

「、、、わかりました」

「すぐにおうかがいしてもよろしいですか?」

「わかりました。お待ちしております」

不思議と剛の胸は怒りに泡立つことはなかった。スマートフォンをデスクに置く音だけがコトリとする。

彼はアメリカの夫人に連絡を取ると、彼女を伴って周防家の門を叩く。豪奢な白い屋敷がまるで凍りついているように聳え立っていた。

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