ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」73
剛は思考をぐるぐると巡らせる。
もし、父が生きていたら、どこかでこっそりと二人で生活を始める予定だったのか?そして俺を孕っていた彼女は、俺の父となる男をずっと待っていたのか?生活費は?
そうか、作品を本来の持ち主に返すことで謝礼が入る予定だったのだろう。でもそれは、同時に敵を作る危ない金だった。俺の父は、だから殺された。俺の母は、俺を産み落とし、そして捨てた。何故?俺は必要なかったのか?愛はなかったのか?
そして、あの亜由美は、俺の母だと思っていたあの亜由美は、ニューヨークへの留学資金確保と引き換えに公園から俺を連れ出し彼女の親戚の子供か何かということで一緒にアメリカへ渡る。しばらくはお金があったが、俺の母からの送金も途絶え、貯金も底をつき、レストランなどでバイトをしていた。やがて心身がキツくなり、金銭事情も厳しくなった。
そう亜由美は説明した。
剛は、雨の降った、あの惨めな夜を思い出す。
ゴミクズのように路上に放り出されたあの夜、、。
激しく降る雨がコンクリートにたたきつけられていたあの夜、、。
真相に近接したその晩、ラジオのニュースが流れた時、剛の中で何かが壊れ、崩れ始める。
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