ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」67
その瞬間、剛はある種の執念に取り憑かれた、ただの孤独なひとりの男になった。
「彼等を憎んでいるだろう?」
彼はそう繰り返す。青年は、それには応えずに沈黙し、しばらくして冷たい声でつぶやく。
「復讐したい、、」
「もし、私を信用するのなら、連絡先を教えてくれないか」
言われて男は決心したように電話番号と名刺を差し出す。
「瀬田豊、、、本名か」
「嘘を吐いても仕方ない」
「戻らないとならない。店の人間に怪しまれるとまずいので。今後どうするかは後で連絡する」
「車を降りてもいいですか?」
「戻らないのか?」
「戻っても意味無いですから」
「わかった」
青年は静かに車を降りると、地下鉄の駅に向かって歩き出す。自分自身の運命が何か大きく変わったことを剛は感じていた。街のイルミネーションに囲まれた車体の中で、そうしてしばらくじっとしていた。
もう長い間吸っていなかったタバコを無駄だと知りながら探す。それから車を発進させ、ゆっくりと店に向かって走って行った。
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