ろまんくらぶ「Thirteen 13ー再生ー」52

 剛という人物がどうも普通ではないことに気づいた理沙は、何かがおかしいと周囲に敏感になってきていた。彼女の疑惑は彼自身の一言で明白になった。それはいつものパーティーで何気なく彼が発した一言だった。

「どうせここは人種偏見があって、古くさいところがあるんだろう?」

「え?」

「いや、他の社員がこぼしてたよ、その」

まずった。失言だ。

「他の?」

って誰?人種偏見なんて言うわけないし。それ、私が研修で来ていたあの学生に説明したことかも。

「それっていつどこで聞いたのかな。誰がそんなことを」

「いや、この間のパーティーだったかな。えっと誰だったかちょっと覚えてないな」

そんなこと誰も言わないと思う、、。何故彼はそれを知っているのか、、。そう理沙が思い始めたある日、偶然にも潜入捜査のことを描いた海外のドラマをテレビで見てしまう。まさかと思いながら、今までの剛との会話や、あの学生と交わした会話を詳しく検討してみる。そう言えば、剛は店の台帳のこともどうやら知っている。何故、台帳のことを知っているのか。知っているのはあの学生だけのはず、、。

もしかして、、。

理沙は直感的に剛がどうやら何かを探っているらしいと気が付く。

そして彼はもしかして彼女に何か気づかれたのではないかと感じる。いよいよ時間がないことを彼ははっきりと意識した。その眼差しは冷静沈着な調査会社の職員のそれになっていた。

でも何を彼は探っているのか、、。こういう時、理沙は無駄に騒いだりする人間ではなかった。

その晩、剛から連絡があり、理沙は週末の土曜日に彼のマンションへ行くことを決心する。

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